HOME 今までの表紙へ
はな暦
画・文  林 亨
最新のはな暦へ

368-05.07

キバナノアツモリソウ

 北海道と本州の中部地方以外の亜高山帯の林の下にまれに生える多年草です。
草丈は約20p。葉は長さ7〜15p、幅5〜8pで2枚の葉が向き合ってつきその中央より花茎が伸びます。
 花期は7月で花は約4p、茎は褐色で 花弁は斜めに広く口を開け、外側に淡褐色の斑紋があります。
 30年位前までは櫛形山に群生していたようですが、11年前に行った時は残念ながら見つけられませんでした。最初に見たのは20年前に南アルプスの鋸岳の二ツ頭で、2度目は5年前に北岳の草すべりで偶然見つけました。
 属名のcypripediumはギリシャ語の cypria(ビーナスの別名)とpadilon(スリッパ)を組み合わせたもので、その花弁の形からきたものです。 


369-05.08

フジアザミ(キク科)

 山のガレ地や川原に生える大形の多年草です。丹沢の沢登りを終え、ガレ場に来て最初に迎えてくれるのもこの花です。
 高さ5〜60p。日本産のアザミの中では最大の頭花を8〜10月頃につけます。形は扁球形で直径7〜10月pで紅紫色。関東地方と本州の中部地方に分布し、特に富士山に多いのでこの名前があります。
 1874年(明治7年)にロシアの植物学者マキシモウィチが、富士山で採取した標本を元に新種として発表しました。
 葉は基部に集まって付き、長さ5〜70p、幅17〜30p。根は富士ゴボウとして食用にしていました。
 属名のcirsiumは静脈に出来るcirsosというコブに由来し、ある種のアザミがその治療に使われたためと言われています。


370-05.09

クサボタン

 本州の山地や草原に生え、高さが1m位になります。葉は長い柄があり3個の大きな小葉からなり、長さ4〜15p、幅3〜12p。不揃いな粗い鋸歯があります。 花は淡紫で長さ1.5〜2p。花弁が無く、萼片が4枚で基部は筒状になり先が反り返ります。外面に白い毛を密生します。
 雄花と雌花があり雌雄異株。雄花の方が少し大きい。花期は7〜10月。
 和名は草のように見え、葉がボタンに似ていることによります。  属名のclematisはギリシャ語のklema(若枝)から来たもので、蔓性の植物に与えられる名前です。クサボタンは種小名stans(直立した)が示すように茎は直立します。  


371-05.10

キバナアキギリ (シソ科)

 山の木陰に生える多年草です。本州、四国、九州に分布します。高さ20〜40p。
 茎は四角で葉は対生で長い柄があり、基部が左右に張り出します。長さ5〜10p。カットの葉は片方の葉を省略してあります。
 花は8〜10月に咲き、花序は長さ10〜20p。花冠は長さ2.5〜3.5pで淡黄色。唇形で大きく開口します。
 基部に淡紫色の退化した雄しべの部分があり、そこを昆虫が下に押すと上唇に隠れていた雄しべがてこの仕掛けで動き、背中に花粉を付ける仕組みになっています。
 和名は秋に咲き、淡黄色の桐に似た花という意です。別名をコトジソウといいます。属名Salviaはラテン語のSalvo(救う)から来た名で、この属には薬草になるものが多いため名付けられました。


2010/09/06 キバナアキギリ(短編)
372-05.11

コウヤボウキ (キク科)

 山地や丘陵の日当たりのよい、やや乾燥したところに多い小低木で、高さが60〜100p。一年生の枝は短毛のある卵形の葉を付けます。冬になると葉は落ち、二年生の枝は各節に3〜5枚の細長い葉を束生します。
 9〜10月に一年生の枝先に白色の頭花を付けます。頭花は10〜15個の筒状花で出来、長さ15o。そう果は長さ5.5o位で、密に毛があります。
 高野山では、この枝で箒を造った事からこの名があります。京都の伏見では酒造りの泡落としに用いるそうです。
 本州の関東以西〜九州、中国に分布します。属名のpertyaはスイス人A.M.perty氏にちなんだものです。 

ページトップへ


385-07.02

ハナネコノメ

 山の谷沿いの湿った所に生える多年草です。草丈は5〜8p位で花も直径5o位と小さく、花弁に見えるのは4枚の顎片です。白い顎片の中に暗い紅色の葯が8個ついて良く目立ちます。 本州中部(福島県〜近畿地方)に分布し、3〜5月に咲きます。高尾山でも6号路、琵琶滝の上の方に群生して咲く所があります。
近畿以西の本州、四国、九州にはよく似ていますが、顎片の先が少し尖っていて、茎に毛の多いシロバナネコノメがあります。
ネコノメソウの仲間は20種近くありますが、いずれも山の湿った所に生えています。尚ネコノメソウの裂けた果実が猫の目のように見える所からネコノメソウと言います。  


387-07.04

イチリンソウ(キンポウゲ科)

 落葉広葉樹林の林縁や林床、それに草原などに生える多年草です。根茎は横に這ってしばしば匐枝を出して群生しますが、同じ仲間のニリンソウと比較すると数は、はるかに少ないそうです。
 草丈は20〜25cmで途中に柄のある3葉が輪生し、更にそれが細かく羽状に深く裂けます。4〜5月頃に直径4cm位の花を1個花茎の上に咲かせます。一輪草の名はここから出来ました。花弁に見えるのは萼片で5〜6枚、白色で裏面はわずかに紅色を帯びます。
 本州、四国、九州に分布します。カタクリなどと共に、葉や茎は早春に地部に現れて、初夏には枯れてしまうというほんの短い命です。スプリングフェメラルと呼ばれる所以です。



389-07.06

 シラネアオイ(シラネアイオ科)

 深山の林縁や林の中、または雪渓のそばなどに生えます。花茎は高さ15〜30cm、花後60cm位に伸びます。根茎は太く横に這い、根生葉は長い葉柄があって掌状に5〜11中裂します。長さは10〜30cm先端は鋭くとがって不揃いの鋸歯があります。
 花は大きく直径5〜10cmで淡紫色、まれに白色がありシロバナシラネアオイといいます。花弁に見えるのは萼片で、花弁はありません。雄蕊は多数、雌蕊が2本。果実はほぼ四角形の袋果で下部が合着します。
昔はキンポウゲ科に分類されていましたが、現在は独立したシラネアオイ科に分類され、一属一種だけで日本特産の科です。花期は5〜7月。北海道と本州の中〜北部に分布します


391-07.08

イワタバコ(イワタバコ科)

 日陰の岩壁などに生える多年草で、夏に沢登りに行くと良く見かける花です。根茎に褐色の長毛があり、葉は葉身が10〜30cm幅5〜15cm楕円状倒卵形でやわらかく、表面の脈はへこんでいます。カットの葉は花に対して少し小さめです。
 花は直径が約1.5cmで6〜8月に咲き、紅紫色(まれに桃色または白)で底部は白地に黄橙色の円形の斑紋があります。花冠は5裂し、星形に先がとがります。雄蕊は5本が花の中心に円錐形に集まり、属名のコナンドロン(conandron)は雄蕊の形状を表しています。
 和名は、葉がタバコの葉に似ていて、岩壁に生えるのでこの名があります。本州(福島県以南)四国、九州に分布します。中部、近畿地方には花茎、萼、葉裏に軟毛のあるものがありケイワタバコ。


393-07.10

マツムシソウ(マツムシソウ科)


 山の草原に生える2年草です。草丈は60〜90cm。秋の高原を代表する花です。
 一年目は羽状に切れ込んだ葉がタンポポの葉の様に出て冬を越し、翌年に咲きます。葉は対生して深く羽状に裂けますが上部のものほど細かくなり、下のものと形が異なります。
 花は淡い青紫色で直径4cm位で上向きに咲きます。キク科の花と同様に小花が集まって一つの花になっています。縁の花は5裂し外側の3裂片は大きく伸びます。中心部の小花は筒状で等しく5列します。雄蕊は4個で花筒の中心につきます。
 和名は松虫の鳴く頃に花が咲くからと言う説と、実の形が昔六部と呼ばれた巡礼が使った松虫鉦に似ているからだと言う説があります。
 花期は8〜10月。北海道〜九州に分布します。  

ページトップへ


395-08.01

フユイチゴ(バラ科)

 暖地の低山の木陰に生える常緑の蔓性低木です。茎は径が2〜2.5mmと細くて地面を這いまわり、又直上します。高さ約20〜30cm、褐色の毛があり、分枝します。
 葉は互生し、つやがあり円心形で長さ幅共に5〜10cm。鋸歯の先は刺状に尖り、葉裏や葉柄に毛を密生します。
 花は白色の5弁花で、径が7〜10mm、雄蕊・雌蕊共に多数あり、7〜9月に咲きます。
 果実は冬に赤熟し、食べられます。別名をカンイチゴといい、和名と共に果実が冬に熟すことからつきました。
 高尾山付近にはフユイチゴと共に葉が三角形のようにとがったミヤマフユイチゴもあります。
 本州(千葉県以西)〜九州、南朝鮮、台湾、中国に分布します。



397-08.03

ユリワサビ(アブラナ科)

 山の渓流のほとりに生える小さな多年草です。茎は高さ10〜20cmで、根生葉は柄が長くほぼ円形。長さ幅共2〜5cmで縁には波状の鋸歯があります。茎も葉も無毛で、茎には少数の卵形の葉が付きます。
 花は3〜5月に咲き、萼は4枚で楕円形。花弁は白色の十字花で花径は5〜7mm。雄蕊は6本、雌蕊は1本です。果実は長角果で、長さ15mm位で数珠状になります。
 和名は百合山葵で、かむとワサビに似た辛みがあり、冬に葉柄の基部が枯れて残り、その形がユリの鱗茎のように見えるので、この名があります。 本州、四国、九州に分布します。


399-08.05

サイハイラン(ラン科)


 山の木陰に生える多年草です。地下に径3cm程の卵形の偽球茎があり、一枚(まれに二枚)の葉と一本の花茎が出ます。古い偽球茎横に並びます。
 葉は長楕円形で一葉を持つランの内では最も大きなもので長さ20〜40cm。幅4〜5cmで先はとがります。
 花茎は高さ30〜50cmで、5〜6月に10〜20個の淡紅色又は淡紫褐色の花を下向きに咲きます。
 萼片と花弁は長さ3〜35cm、幅4〜5mmです。唇弁は先が三裂します。
 和名は采配蘭で昔、武将が兵を指揮するときに使った采配に見立てたものです。日本全土に分布します。高尾山では琵琶滝コースで見ることが出来ます。


401-08.07

ミヤマシオガマ(ゴマノハグサ科)

 高山の砂礫地や草地に生える多年草です。高さは5〜20pです。茎は直立して、上部に白く柔らかい毛が密生して、枝分かれはしません。
 根生葉は長い柄があり長さ4〜8cm、幅2〜3cmで羽状に深裂し、裂片はさらに羽状になりニンジンの葉のようになります。茎葉は茎の上部に数個が輪生状につきます。
花は7〜8月に茎の先に先にかたまってつき、花冠は濃い紫紅色です。長さは約2.5cm、上唇は斜めに立ち舟形で、先は丸くて先端に小さく突起があります。下唇は3中裂し、裂片はほぼ円形です。
 和名は深山塩竈で、深山に生え、塩竈とは浜で美しいもの、すなわち葉まで美しいをかけた名前です。
 北海道の日高山脈、本州中部以北に分布します。     


403-08.09

ハナイカリ

 日当たりの良い山地の草原に生える1〜2年草です。高さは10〜20cm。幅1〜2.5cmで長楕円形。
 主脈の他に2本の側脈が長く目立ち、葉先は尖ります。茎の切り口は四角形でひれ状の4稜があります。8〜9月に淡黄色の花が咲きますが後に緑色っぽくなります。 
 花冠は途中迄4裂し下の方に細い袋のような距(きょ)が4本あり横に延びます。雄蕊は4個、雌蕊は1個で子房は上位です。
和名は花錨で、舟の錨の様な距を持って春に咲くイカリソウと区別するために花を加えて花錨となりました。日本全土に分布します。  

ページトップへ


405-08.11

アズマヤマアザミ(キク科)

山林内や林縁に生える多年草で、高さ1.5〜2mになります。花時には根生葉が無くなりますが、茎に長さ約25〜50cmの大きな葉がたくさん付き、羽状に中へ深裂して、刺があります。葉の基部は急に尖ってつき、茎を抱くことはありません。
 花は9〜11月に咲き穂状につきます。花冠は2cm位。総苞は長さ1.5〜1.8cm。幅0.7〜1cmです。総苞片の先は小さなとげとなってわずかにそり返ります。クモ毛があり、やや粘ります。
 和名は東山薊で、東国(関東地方)に多く山に咲く薊の意味です。関東地方、中部地方に分布します。高尾山では8月からノハラアザミ、ナンブアザミが9月下旬から本種が咲き始めます。


408-09.03
 

クロモジ(クスノキ科)

 山地に生えて樹高が2〜6mになります。葉は枝先に5〜6枚まとまって付き長さ4〜10cm、若葉には白い長毛が密生します。成葉は両面共毛が無く、裏面は帯白色になります。
 3〜4月になると葉の下に淡い黄緑色でやや半透明の花が咲きます。雌雄異株で、雄花は雄蕊が9個、雌花には1個の雌蕊と雄蕊は仮雄蕊と言って形だけの小さなものが9個あります。
 実は直径が5〜6mmの球形で緑から茶色にそして9〜10月に黒く熟します。枝や幼木の樹皮は暗緑色で黒い斑点が多く、それが黒い文字のように見える事から黒文字と言います。
 樹皮や材質に独特の香りがあり、高級な楊子はこの木から作られます。本州、九州、四国と中国に分布します。             



410-09.05

オオバキスミレ(スミレ科)

 

 里山から亜高山帯の湿気の多い草地や林縁に生える多年草です。高さは5〜20cmで、茎葉は3〜4枚つけます。一番下の葉は離れてつきます。長さは3〜10cmで卵形で先が急にとがります。上部の葉ほど細長くなり波状の鋸歯があります。地下茎は匍匐して分枝し、場所によって大群落が見られます。
 4月下旬から7月に、直径1.2〜1.5cmの黄色花が咲きます。萼片は披針形で、花弁は倒卵形。花柱の上部と側弁の基部には毛が生えていて、側弁と唇弁に紫褐色のすじがあります。
 和名は大葉黄菫でその名の通り葉が広くて大きく、黄色の菫の意です。
 北海道から本州(京都府以北)の日本海側の多雪地帯に分布します。        

                    

 

412-09.07

コメバツガザクラ(ツツジ科)

 高山帯の日当たりの良い砂礫地や岩隙に生える常緑小低木で高さは5〜10cmです。葉はコケモモによく似ていて長楕円形で5〜10mm、幅3〜5mmです。各節に3枚づつ輪生します。(コケモモは互生してつく所が異なります)
 5月下旬から8月に壺形の白色〜帯紅白色の花を咲かせます。長さは5mm位で浅く5裂します。雄蕊は10本、雌蕊は1本で花弁より短く萼は5深裂します。北海道のものは、特に萼片が濃い紅色です。和名は米葉栂桜で、栂桜の仲間で葉がお米の様な形をしていることによります。中部地方以北と北海道、鳥取の大山、奈良の大峰山等に分布します。       
 5月19日蔵王の地蔵岳から熊野岳寄りで見かけたので描いて見ました。    





414-09.09

カリガネソウ(クマツヅラ科)

 低山の林縁や沢沿いなどや湿りけのある場所に生える多年草です。高さは1m位になります。
 葉は葉柄があり対生で長さ8〜13cm幅4〜8cmです。葉に触れると独特の臭気があります。
 花は8〜9月に咲きます。花冠は青紫色で1cm位の花筒があり先が5裂し、下側の1個は特に大きくて前方に突き出し内側に斑点があります。雄蕊と花柱は長さが3cm位で弓形に外に突き出します。
 和名は雁草で湾曲する花の形を、渡り鳥のガンが飛ぶ姿に見立てた名前です。別名はホカケソウといい、花の形を帆掛け船にたとえたものです。日本全土に分布します。
S61年9月湯桧曽川本谷をつめた時に初めて見ました。2度目は米子沢の沢登りでその時の写真から描きました。  



ページトップへ


416-09.11

ヤクシソウ(キク科)

 日当たりの良い山地の乾いた所に生える二年草です。高さは30〜120cm。葉は互生し、根出葉は匙形で柄がありますが、開花時には枯れます。茎葉は低い鋸歯があり基部は茎を取りまくように付きます。
 花はニガナと良く似ていますが、横枝がたくさんつくことが異なります。
 花は黄色で8〜11月に咲き、径は1.5cm。上向きに先花後は花柄が曲がって下を向きます。総苞は長さ7mmで下部はふくれて堅くなります。
 和名は、薬師草で茎につく葉の基部が耳状に茎を抱くのでこれを薬師如来の後背に見立てたという説があります。日本全土に分布します。高尾山〜陣馬山の尾根にも所々で見られます。            




417-2010.01

ヤマエンゴクサ(ケシ科)

 山野の林縁に生える多年草です。高さは10cmくらいで、葉は柄があり2〜3回3出複葉で小葉は線形のものや丸いもの、切れ込みのあるものなどいろいろあります。
 地下には球形で直径1〜2cmの塊茎があり、茎がそこから1本でます。
 3月中旬〜4月に茎頂に総状に青紫色の花が咲きます。花は長さ1.5〜2.5cmです。花柄の付根の苞葉はギザギザがあります(鋸歯)。良く似たエゾエンゴサクの苞葉は卵形で全縁です。
 和名は山延胡索で山に咲く延胡索の意です。延胡索はこの仲間の中国名(生薬名)です。地下の塊茎を鎮痛剤として用います。
 本州、四国、九州に分布します。高尾山では、小仏川沿いに群生して咲くのが見られます。
             




419-2010.03

キバナノアマナ(ユリ科)

 
山野に生える多年草です。花茎の高さは、10〜20cm。地下には卵形で長さ1〜1.5cmの鱗茎があり、夏には地上部が枯れ鱗茎だけになります。
 根出葉は幅5〜7mmで、長さ15〜30cmです。3〜5月に花茎の頂に3〜10個の黄色い花が咲きます。花被片は6枚で長さ1.2〜1.5cmです。
 花被片とはユリのように萼片と花弁が一緒に付き両方共花弁のように見える花について分けて花被片といいます。和名は、黄花の甘菜で白い花をつける甘菜に似て黄色い花をつける意です。
 北海道、本州中部以北に分布し、本州西部と四国にはまれに見られる程度です。         



421-2010.05

ジュウニヒトエ(シソ科)

 山林の日陰に生える多年草です。高さは10〜25p。全体に白い軟毛が密生するので、葉は白っぽい緑に見えます。
 茎の基部には鱗片状の葉が2〜3対あります。茎葉はへら形で対生し、長さ3〜5pで縁には波状の鋸歯があります。
 4〜5月に白〜淡紫色の花が長さ5〜8pの穂状につきます。ひとつの花は長さ1pの唇形です。
 和名は十二単で、花が重なって咲く姿を平安時代の貴族の女性の正装である“十二単”に見立てたものです。
 本州と四国に分布します。




423-2010.07

タカネツメクサ(ナデシコ科)

 高山の砂礫地や岩場に生える多年草です。高さは3〜7p。地上茎はよく枝分かれして、カーペット状になります。葉は対生し針形で長さ8〜15o、先は鈍形です。基部は合生して筒型になっています。葉に1脈があります。 
 7〜8月に、基部に1個の白い花を付けます。直径は1〜1,5pで、花弁は5個です。
 花柄や茎には腺毛があります。刮ハは長さ8〜10oで熟すと3裂します。
 和名は高嶺爪草で高い山に生えるツメクサの意で、ツメクサは葉の形を鳥の爪に喩えたものです。本州の中部山岳と飯豊山地に分布します。
     
        タカネツメクサ



425-2010.09

ボタンヅル(キンポウゲ科)

 日当たりの良い野原や山に生えるつる性の半低木です。葉は柄があり対生で1回3出複葉です。小葉長さ2〜6cm。卵形で先は鋭く尖り、不規則な鋸歯があります。
 8〜9月に今年伸びた茎の先端や葉腋にたくさん白い花が咲きます。4つの花弁状のものは萼で、花弁ではなく、雄蕊、雌蕊は多数まとまって花の中心に集まります。
 和名は牡丹蔓で、葉が牡丹の葉に似て蔓になることからつきました。 本州、四国、九州と朝鮮、中国に分布します。    

ボタンヅルへ





はな暦





ページトップへ 今までの表紙へ
HOME
inserted by FC2 system