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【倉見山】
期 日 11月6日 雨後曇
パーティー L吉川、村田、伊比、石川、 斉藤く、
コースタイム 寿駅9:20 明見登山口9:40 倉見山12:10~13:15 東桂駅15:25

 無人駅を出ると駅前にコンビニがあり、国道139号を渡る。明見登山口入口には道標はありません。
 朝露で濡れている登山道に入る。明るい松林の中をしばらく登ると、突然大きなヘビが横切った。ヤマカガシの歓迎を受けるが素早く逃げられた。
 富士見台はよく整備されていて、展望も良好です。桜の木も沢山植えられていて、お花見頃もよいでしょう。
 中腹から紅葉も見頃です。ブナの黄葉、真っ赤に染まるモミジもあり、とても綺麗です。時折吹く風に色づいた葉が舞い落ちる。紅葉前線は里に向かっていて、短い秋の終りを告げようとしています。
 倉見山の頂上からは富士山の大きな姿が見えますが、今日は上の方は雲の中です。昼食を食べていると雨がポツリポツリ降り出す。予報では午後から下り坂、晴マークから雨マークでしたけれど、雨も1時間ほどで上がってくれました。
 雨で道も落ち葉も濡れて、滑りやすく気を付けて下山する。
 6年前に登ったときより道標も整備されていました。今日は紅葉の山を独占でき、とても静かな山歩きが楽しめ、充実した一日でよかった。 (吉川幸雄 記)

【雲取山、ヨモギ尾根】
期 日 11月13日 晴
パーティー L和田、小川、村田
コースタイム 塩沢橋7:10 奥後山10:25 奥多摩小屋11:45 雲取山12:35~13:15
三条ノ湯15:00 塩沢橋16:15

 今回の雲取山は初めてのコース、ヨモギ尾根である。
 お祭りから後山林道に入り、塩沢橋に車を置き、塩沢に沿って歩き出す。道もわずかに踏み跡があるくらいで、落ち葉が道を隠し探しながら歩く。
 尾根を何回も巻きながら平行に進み、2時間半歩いてやっとヨモギ尾根に取り付くことができた。分岐には小さな錆びたブリキの指導標があっただけだった。
 尾根に取り付いてからは道もよくなり、奥後山を越えて奥多摩小屋に着いた。 雲取山の山頂は近ツリの19名のツアーで賑やか。2泊3日、雲取山は3万何千円とか言っていましたよ。
 展望もよく、少し雪を被った富士山が綺麗でした。
 登りに時間がかかってしまったので下りは結構飛ばした。三条ダルミでは鹿に会った。奥多摩も大分鹿が増えたようだ。 三条の湯から林道までの渓谷沿いの道は、紅葉がちょうど見頃でとても綺麗でした。ちょっときつかったけれど、明るいうちに車に戻れてよかった。(村田智昭 記)

【荒海山】
期 日 11月13日 
パーティー L立田哲、き

 日曜日に降った雪のため車で登山口まで入れず、仮眠と3㎞の道路歩きは雪融けを待ったので、時間が遅くなった。 山頂までは行けなくても新雪を楽しむつもりで歩き始めたら、山岳会のOB(10名)を乗せた旅館の送迎バスが通りかかり、同乗させていただき助かる。
 分岐を間違え戻ったりと、アクシデントもあったが、遠くの山々を眺めながらの稜線歩きは、樹氷とラッセルを楽しみ、青空と雪景色に満足した。
 OB会の人達は11時で戻り、私達は12時まで先を進む。山頂が間近に見えるところまで来たけれど、今回は見るだけにして諦め下山。
 帰りはのんびりと林道歩きを楽しんだ。 (立田きよ子 記)

【裏妙義縦走】
期 日 11月21日 晴
パーティー L小川、江黒、斉藤和、
 小山、土岐
コースタイム 国民宿舎7:15 丁須の頭 9:45 三方境12:40 国民宿舎前14:30

  雲取山が雨で中止になり、変更先は裏妙義。私、恐がりで岩が苦手、心配です。
 国民宿舎の前から杉林に入り、沢沿いに進む。最初の鎖場が登れず、先が思いやられる。
 左頭上に岩壁を見上げて、丁須の頭の東のコルを越し、左に巻いて濡れた岩を登り、丁須の頭の下に出ました。
 下で待っていると言う間なく、ロープで確保されて肩へ登り、ひと息入れる。
下って尾根道を進むとリーダーに「20メートルの鎖場がもうすぐ」と言われ、
鎖場の上に立つが下の様子は見えない。
 ロープを出す間に、先輩が下りると小さく見えます。いよいよ私の番、踏み出す勇気がない。ザックを岩に押しつけて鎖を持つが、足場が見えない。岩の割れ目に降り、先週の岩トレを思い出しながら体を起こしてやっと降りました。
 赤岩のトラバースには、軽金属の板が取り付けられていてスリル満点。鎖を握り汗をかく。
 烏帽子岩のトラバースも無事通過。雑木林の中を下り三方境に出ました。
 日溜まりで昼食。やっと気分も落ち着き、ココアが美味しい。ご馳走様でした。
 名残の紅葉が美しい道を下り、宿舎前へ戻りました。
 印象深い裏妙義山行になりました。少しでも楽しめるようになりたいです。
 先輩の皆様がとても心強く、ありがたかった。       (土岐典子 記)

【浜石岳】
期 日 11月21日 曇時々晴
パーティー L斉藤秋、く、益田、榎本 義、の、和田重、将、大西曜、誠、石川、 伊比、平松、浅子、林、他1名
コースタイム 坂本10:30 浜石岳12:30~ 13:00 坂本14:55

  坂本から入るが道が分かりづらく、右往左往したが、民家のおばさんに聞いてようやくひと安心。
 このコースは裏コースで単調な道が続く。檜林はうす暗いが、汗かきの私には涼しくてちょうどよい。
 途中林道に出て興ざめするが、ようやく明るいところに出てホッとする。そこから最後の登り、またまた檜林を登り詰めると、NTTの無線塔があるピークに出た。ここが頂上かと思いガッカリしたが、もう少し先のようだ。木々の間から海が見えてきた。
 間もなく芝生を敷き詰めたようななだらかな山頂に着く。707mとさほど標高は高くないが、その割には展望はよく、眼下に海が望め、まるでパノラマ写真を見ているようだ。
 楽しみにしていた富士山の雄姿は、重い雲に隠れ残念と思いきや、一瞬、頭だけまっ白な顔を出してくれました。皆満足のようです。
 他の登山者は、由比側の表コースから簡単に頂上近くまで来た人ばかりです。
その中にスカートの人もいました。
 帰りは同じ道を下り無事坂本に着き、
途中でみかん等をお土産に帰路につきました。       (斉藤秋夫 記) 
【毛無山】
期 日 12月18日 快晴
パーティー L和田、小川、江黒、平松、
 斉藤く
コースタイム 朝霧高原登山口8:30 毛 無山11:30~12:45 地蔵峠13:45 登山口
15:00

今日は暖かく絶好の登山日和です。途中不動の滝を見るが、水が少なく思いの外細く線のような滝でした。
 ここからは急登ですが、元気なお年寄りが多く、なかでも単独で白髪のおじさんは早かった。(70歳くらいかなー)
83歳のおばあさんも「私いくつに見える?」「このしわ見て」顔を突き出して話しかけ、元気に登っていきました。
 今日は富士山に雲ひとつなく、全容を見せてくれ嬉しい。途中車窓から見た富士山も素晴らしかった。朝霧高原側から見る富士山はスケールが大きい。
 ゴミをなくし、世界遺産にしてあげたいものだ。
 どこに登っても富士山が見えると嬉しくなる。やっぱり日本人の心のふるさとかなー。
 最初見上げるような富士山が、登るにつれだんだん近づいてくる感じになってくる。もうすぐ山頂かも。
 稜線に出て平坦な道を歩いていると、梢越しに真っ白な南アルプスが見えてきた。いつしか絶対登ってみたい赤石岳、塩見岳も見えた。
 毛無山の山頂に着くと、伊豆半島、駿河湾までも見え、海がキラキラ輝いていてきれい。
 今年最後の山で、輪になってミニ忘年会と江黒さんの還暦を祝って、あったかいおでんをいただいた。美味しかった。
 帰りは地蔵峠を回って下った。最後まで雄大な富士山に見守られながら、2006年の山行は終わった。(斉藤くみ子 記)

【御岳山~日の出山】

期 日 1月3日 曇
パーティー L和田、村田、斉藤秋、
 市川、平松、石川、土岐
コースタイム 古里8:30 大塚山10:15
御嶽神社11:00 日の出山11:40~12:50五日市駅15:40

 正月で膨らんだ腹を抱え古里駅に下り立つ。一月とは思えない暖かい陽気です。 今日は大塚山を越え、御嶽山に初詣を済ませ、日の出山まで足を延ばします。
丹三郎屋敷から登り始め急登に入る。以前歩いたコースだが、もの忘れが激しいので、いつでも初めての気分で歩けるのは有り難い。
体も温まり一枚二枚と脱いで行く。冬の空は澄んでいて遠くまで見渡せる。霜柱も立っていた。
大塚山はレンゲショウマが咲いている頃の賑わいが嘘のように、誰にも逢わず静かなひと時でした。
御嶽神社の参道はさすが初詣客で賑わっていた。私達も安全登山を祈願してお参りした。帰りは急な階段をヨッコラヨッコラと下り日の出山に向かう。
正月にはめでたい日の出山は登山客で賑わっていた。私達は山頂から少し下った所で昼食、小宴会となりました。
今年も健康で楽しい山歩きが出来たらと願いを込めて、少しだけお屠蘇を頂き祝いました。
ここから長く続く金比羅尾根を、カサコソと落ち葉の音をたてながら快調に下って行った。里の家路が見える頃五日市の駅が近くなって来た。久し振りに長く歩いた山行も終いとなる。(石川とい 記)

【笹子雁ヶ腹摺山~お坊山】

期 日 1月8日  晴
パーティー L和田、江黒、新井、斉藤 く、平松
コースタイム 笹子8:40 雁ヶ腹摺山11: 00~12:30 大鹿山15:00 甲斐大和16:20

 前々日に雪が降り、不安と期待で家を出る。休日ダイヤと言うことを忘れて大失敗、遅刻してしまった。
 連絡を取り一人で後から追いかける事になった。因みにもっとひどいのがもう一人いた。笹子を下りると歩く道路も雪道でした。登山口でスパッツを着け気合いを入れる。そう私にとって今年初めての山行なのです。
 展望のない急斜面をこなしていたら、標高800m地点で先行の三人パーティーに合流する。雁ヶ腹摺山の山頂は展望抜群。南アルプスや八ヶ岳は見えるのだが、今日は雲の中で、雪も舞っているような感じだ。天気はいいがジッとしていると寒いので、江黒テントの中での昼食となった。この時は当初の予定通り5人のパーティーになっていた。さすが祭日だけあって次から次から登ってくる。
 お坊山への縦走は我々と単独の2,3人の男性パーティーだけのようだ。女性陣はアイゼンを着けていざ出発。
 このコースは足場が歩く、この時期としてはハードだろう。
 お坊山を最後のピークとし、一同ちょっとホッとした感があった。大鹿峠からはヒザに優しい雪道と落ち葉道でとても楽しい下りでした。景徳院からは余韻を楽しみながら駅まで歩いた。
   (新井仁志 記

GSK384ー2007.1

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GSK383ー2006.11



【黒岳、ニセイカウシュッペ山、ニセコアンヌプリ、樽前山】
 期 日 10月2~4日 パーティー 平松、土岐、他3名
コースタイム 1日目 黒岳登山口13:50 黒岳15:00~25 黒岳登山口16:20 2日 目 古川林道登山口6:20 大槍8:30 ニ セイカウシュッペ山9:10 古川林道  登山口12:00 3日目 ニセコ山の家駐 車場8:20 ニセコアンヌプリ9:40~10:10
駐車場11:20 樽前山登山口13:40 樽前 山14:30~15:00 登山口15:30  写真

 JAL超割航空券(片道7、800円)を利用して北海道の山に行ってきました。
 羊蹄山の計画で宿を決めたので、移動が長くドライブも楽しみました。
 羽田6:30発、千歳8:00着。空港よりレンタカーで高速道路を走り、旭川から層雲峡へ向かう。
 ロープウェイ、リフトと乗り継ぎ、黒岳登山口はもう7合目です。山頂はガスの中で残念でした。
 以前、旭岳からトムラウシへ縦走中、石室にテントを張った。夜中「熊が出た」の大声、北キツネのイタズラと分かり、ホッとしたことなど懐かしく思い出しながら休む。
 少し下れば眺めがよくなり、明日登るニセイカウッシュッペ山が紅葉のなかに望まれ、なかなか姿の美しい山で楽しみです。

2日目 雨後曇
 早朝、思ってもいない雨です。ホテルの前で雨具を着て車に乗り込む。
 国道から古川林道への入口が分かるか心配でしたが、標識があり心配無用でした。(途中の分岐にも標識がありました)
 林道ゲートの鍵は開いていましたが、
鍵が横に下がっていました。森林管理所で鍵ナンバーを聞くことを忘れず入るように。
 登山口よりゆるやかな道が続き、ダケカンバの白い幹が美しい紅葉の道を行く。雨具も脱ぐ。
 稜線に出ると右に大雪、左に山頂、大槍の迫力ある展望が望まれる。大槍の下を巻いて、ハイマツの斜面を横切り、巻くように登り切ると平坦なニセイカウシュッペ山に着きました。
 山頂は大雪の展望台で、黒岳ロープウェイも見え、黒岳の頭が見え隠れしています。
 往路は紅葉を楽しみ、キノコもチラホラと……。とても気持ち良く歩ける道でした。下山後、高速に乗って小樽からニセコ昆布温泉に移動する。

3日目 快晴
 ニセコ山の家の駐車場よりジグザグの道を登る。左手のイワオヌプリは白い地肌が荒々しい。山の家、五色温泉が箱庭のように見える。
 山頂からの羊蹄山は大きく、美しい姿に皆にこやかに眺めています。風もなく登山日和です。
 往路を下山。駐車場横で水を詰め、車で2時間ほど移動。樽前山7合目も天気がいい。歩き始めて後ろを振り返ると、支笏湖の眺めが素晴らしい。
 外輪まで1時間ほどだが、草モミジが一面に広がり秋模様です。
 タルマイソウ(イワブクロ)の花、好きな花です。草モミジはタルマイソウでした。
 外輪に着くと巨大ドームが現れ、白い噴煙を上げていて、活火山であることを実感する。右に曲がり東山が山頂です。
 苫小牧、太平洋まで見え、前回より上天気です。
 往路を戻り、支笏湖温泉に入って千歳空港へ向かう。
 目的のニセイカウシュッペ山に登頂でき、秋の北海道を満喫した山旅になりました。        (土岐典子 記)


【滝子山 寂惝尾根】期 日 10月9日 快晴  パーティー L斉藤和、矢島
コースタイム 笹子8:45 寂?尾根登山 口9:15 山頂手前ピーク12:20~13:15  滝子山13:30 檜平14:00 初狩16:20

 急に一日自由に使える休日ができた二人、お天気に誘われて寂?尾根から滝子山に決まった。
 だがJRの工事で両国~立川間が7時まで運休と知り、いろいろ考えたがスーパーあずさで行くことになりました。
 笹子駅から30分程車道を歩き、迷わぬように案内書を手にしたまま行く。
 登山口から少し行くと、やわらかな土の上にうっすらと落ち葉が乗った足にやさしい登山道です。檜や松などの樹林で、快晴の空は少ししか見えません。
 急登が多くなり一度林道を渡り、また急登。脹ら脛が大分疲れた頃に、木の間越しに富士山が見えて、岩稜らしくなりました。クサリ場も出てきて、両手を使って登ると元気になる。不思議です。
 P3、P2、P1と岩場はアッと言う間に過ぎてしまいます。一カ所岩棚があり、私には安心できる足場が見えなくて、ザックを押してもらい岩棚に乗りましたが、和子さんは「少し下にあったわよ」とルートを見つけて登りました。次回はもっともっとよく見なければと思いました。
 頂上の1つ手前のピーク「この先キケン 進入禁止」の立て札の少し先の安全な場所に腰を下ろし、美しく裾を広げた富士山をおかずに、二人だけの気持ちのよい昼食タイム。大満足です>。
 少し下り登り返すと山頂。そこはほっかりと空気全体が暖かく、今までの涼しさがまったくないのです。
 お弁当を広げている人達の声が行き交うなか、景色をぐるりと楽しみ下山開始。
 男坂と女坂の分れる所ではもちろん、膝に優しいだろう女坂を下ります。トリカブトも咲いていました。
 檜平で男坂に合い、最後の休憩。シートを広げて腰を下ろす。富士山、ススキ、晩生のハクサンフウロ一輪。
 それからの下りは尾根から外れたときは急坂ですが、大沢沿いは水の流れが気持をゆったりさせてくれます。
 水量の多い流れを丸木橋や飛び石伝いに数回渡りましたが、ストックがあるので楽に渡れます。陽の当たらぬ林の中は夕暮れが迫り焦りますが、対岸の上の方にはまだ昼間の日射しがあり安心しました。
 初狩のホームから、デーンと大きな滝子山とはお別れです。楽しい一日でした。(矢島紀子 記)


【穂高・涸沢】 期 日 10月9~10日 晴 パーティー L清武、江黒、益田、小山、斉藤く、大西曜
コースタイム 上高地7:20 横尾10:45~11:10 涸沢15:00(泊)5:00 北穂高南 稜クサリ場7:00 涸沢8:50~10:20 屏風 のコル12:00 徳沢15:00 上高地16:40

 今、私は流れの速い梓川を左に眺めながら歩いている。
 もう何年も前から、テレビの画面で見た涸沢の紅葉が目に焼き付いていて、いつか必ず本物を見たいと思っていた。
 今回、私のその気持にパーティーの皆様が応えてくれ、感謝の心と力強さとプレッシャーで、千々に乱れているのが本音である。
 出発前に台風がからんだ前線の影響で、天候が急変し白馬岳、穂高連峰で遭難者続出。私達も秋山装備から冬山装備に荷物を詰め直し、出かけてきたのだが、上空にはヘリも飛んでいるし、見上げる穂高の山々には雪化粧がしてある。
 テント泊も初めてなら、重たいザックを背負うのも、北アルプスも初めて!。何もかも初めてづくしで、この先大丈夫だろうか不安は募る。
 連休のせいもあるのか、上高地街道と呼ばれる道は登山者の往来が激しく、なんら東京の街中と変わらない状況だ。
 明神で一本入れ、2時間ほどで徳沢園に到着した。テントも何張りか張ってあり、人の数もすごい。
 昔から何度も読んだ山岳小説の中に出てくる徳沢園なのだが、あまりの喧噪ぶりに感慨も今ひとつと言ったところだ。
 でも現実に「氷壁」の舞台となった前穂高の東壁を眺め、これから「屏風岩登攀記」の屏風岩も仰ぎ見ることができるのだ。
 樹林帯の道を歩き、横尾からいよいよ本格的な山登り。はたしてこのザックの重みに耐えて、涸沢まで登れるだろうか?。「いや弱音を吐いてはいけない」と自分に言い聞かせる。だって皆のザックはもっともっと重たいのだから……。
 笹ヤブや河原の道を歩きながらLが色々説明してくれる。屏風岩の東壁や、明日登る予定の北穂が威圧的に聳えている。
 ここまで来ると紅葉も本当に美しく、真っ青な空と雪山。まさに錦繍の世界を実感する。ナナカマドの赤も印象的だ。
 ガレ場を過ぎやっと憧れの涸沢に到着。ヒュッテで皆で乾杯して思う存分景色を堪能する。やはりスケールの大きさに圧倒される思いだ。
 初体験のテント泊。手順を教わりながら設営、食事の用意をこなして楽しい食事の時間の始まり始まり。益田シェフのカニ玉を筆頭に、先輩達の温かいもてなしと言葉に感激した。
 相変わらず涸沢は混んでいて、昨夜は一枚の布団に3人で寝たとのこと。それに全国区なんだ、と思う。
 ゆっくりと陽が落ち、月明かりと星空の下に整然且つ威厳をもって聳える穂高連峰、涸沢カール、この光景を私は一生忘れないだろう。
 早々にシュラフに潜り眠りにつくが、北穂登山のことが脳裏を占めているためか何回も目が覚める。
 テントに雨粒らしきものも当たり、風も出てきた気配。
 登りたい気持と不安との葛藤で4時を迎えた。食欲ゼロ。食物をココアで流し込み、益田さん手製のお汁粉をいただく。
 昨夜の雨音は、小さな石がテントに当たった音だそうな。

2日目 晴
 皆でホタルになり5時出発。ガレ場、急な登りと高度を稼いだ頃、朝日が上がってきた。峰の雪壁を照らし、荘厳で感動的な気分に浸っている。
 涸沢のテント場も小さくなり全景が見渡せる。この展望をLは私に見せたかったそうだ。
 登山道の岩場は凍った雪と岩とミックス状態。途中アイゼンを装着し慎重に登るが、速度も遅くなり、クサリ場を過ぎ急な箇所、稜線に出る手前で時間的にも、実力的にも私には無理なことをLに告げる。
 今日中に東京まで戻らなければならないのである。皆で相談し全員下山となった。私のために頂上にパーティーが立てなかった。心の中はその申し訳なさで一杯だったが、頭を下山に切り換える。
 クサリ場手前の急な斜面はロープで確保してもらい、クサリ場では声を掛けられながら下山した。
 登ってくる登山者もアイゼンを持っていない人は引き返しているらしい。
 テントを撤収して、上高地まではパノラマコースを下ることになった。槍ヶ岳も望むことができ、素晴らしい展望コースなのだが、屏風のコルまでは緊張の連続で、恐ろしかった。
 新村橋までも岩がゴロゴロして歩きにくい道で、疲れも限界に達し、皆の話しかけにも生返事。頭の中は早く上高地に着きたいのに、ザックも足も重たい。そのジレンマに泣きたい気分だった。
 でも私が言い出した山行なんだから絶対泣けないし、皆のフォローには頭が下がる思いなのだ。
 新村橋を過ぎてからは2本のストックで、自分でも信じられないくらいスピードが出たおかげで、5時前のバスに乗ることができひと安心だった。
 こうして私の涸沢勉強会は終了したのであるが、後日自分の体力不足、実力不足の自己嫌悪に陥る日々となったのである。        (大西曜子 記)

 
【宝剣岳~空木岳~越百山】  期 日 10月9~10日 単独 コースタイム 千畳敷7:20 宝剣岳8:20 桧尾岳11:20 熊沢岳13:10 木曽殿越山 荘15:00 空木岳16:30 駒峰ヒュッテ  (泊)5:05 南駒ヶ岳6:50 越百山9:20 ~50 シオジ平12:55 飯島駅15:40  

 以前から行きたいと思っていた中央アルプス。連休が確実に晴れるというので、宝剣岳~越百山まで縦走し、電車で出発地まで戻る計画をたてました。

1日目 快晴
 紅葉と祭日が重なり、菅ノ台バス停は朝暗いうちからすごい行列が出きました。バスも増発されロープウェイも時間待ちで、千畳敷には少々遅れて着きました。
 青空をバックに聳え立つ宝剣岳の岩峰群。気温は低く、木々には霧氷が付き、水溜まりにも氷が張っていた。  乗越浄土までは人の行列が続きます。宝剣岳からは360度の展望を楽しみ、先を急ぎます。
 極楽平からは人も減り静かな山旅になります。山並みの向こうに今日の目標の空木岳が見えます。
 桧尾岳、熊沢岳、東川岳と岩場の登り下りを繰り返し、木曽殿越に着きました。
 あまり評判のよくない山荘は素通りして、空木岳まで最後の登りです。
 登山者は二人だけの静かな山頂です。展望は最高で、白くなった穂高まで見えます。
 泊まったのは山頂直下の小さな「駒峰ヒュッテ」。地元の山岳会が経営している小屋で、小屋番のご夫婦が感じがよく、お客さんと同じテーブルで一緒に食事をしたり、自炊の人にもおかずを分けてくれたり、家庭的でいい小屋でした。
 夕方にはうろこ雲が茜色に染まり、とてもきれいな夕焼けが見られました。

2日目  快晴
 歩行程が長いので早めに出発。日の出は空木岳を越えた途中の岩稜で、塩見岳のあたりから素晴らしいご来光を見ることができました。
 縦走路は岩場も多く、いくつか越え南駒ヶ岳に着きます。今日も展望はよく宝剣岳から歩いた山なみが遠くに見え、随分歩いた事を実感する。
 岩塔の立つ仙崖嶺を通過、越百山は平で静かな山頂でした。ここで今日初めて登山者に会った。関西弁の達者なおネエさんでした。別れを告げ伊那谷に下山します。
 ヒュッテの小屋番に「沢登りしたことある」と聞かれた理由が分かりました。
 いきなりの急坂で、笹原を抜けると中小川の沢沿いになります。右に左に何回も沢を渡り赤い目印を探す。
 道が崩れているところもあり、絶壁に梯子が架かった“カモシカ落とし”をクサリを頼りに慎重に下ります。
 シオジ平から林道を歩き出すが、ヒッチハイクしようにも車が通らない。町に出てもバスはなく、結局飯島駅まで2時間半歩いてしまった。 (小川 豊 記)


【九鬼山~高畑山】 期 日 10月10日 晴 パーティー 新井仁、七  
コースタイム 禾生8:15 九鬼山10:10 鈴ヶ音峠12:00 高畑山13:30 鳥沢16:40

 皆さんがあちこち紅葉を求めて遠出しているときに、紅葉とはまったく関係ない近場で大汗を流していました。
「高尾・陣馬」の登山地図で、中央線のすぐ南の山なみで、登山ルートとなっていないのが、九鬼山~高畑山です。
 暑い時期はイヤだし、陽の短い季節は時間切れが心配です。そういうことで奥さんと連れだって出かけてみました。  九鬼山までは愛宕神社コースで行きましたが、薄暗くあまり歩かれていないようで、杉山新道の方が明るくていいのかな。 山頂手前の富士見平から南に東に縦走が始まります。案の定、道不明瞭。所々ヤブ多しで、ルートファイデングしながらではあるが、早い時間に出発できたのと、なにしろ天気がいいので気にならない。一カ所切り払われていて、道志の南の山々や目指す高畑山、もちろん頭が少し白くなった富士山が見えて、大満足のビューポイントがありました。
 二人貸し切りの高畑山山頂で遅い昼食をとり、穴地峠経由で下りることにしました。
 この山行はやはり葉が落ちて、陽が長くなり始めた春がよかったかなと、クモの巣に好かれた頭をかきながらちょっと思いました。    (新井仁志 記)


【中央アルプス・安平路山】
期 日 10月16~17日 晴 パーティー 土岐、他2名
コースタイム 飯田市水道局小屋7:20  摺古木自然園9:40~10:00 摺古木山  11:50~12:30 白ビソ山13:55 安平路避 難小屋14:20(泊)6:45 安平路山7:20 避難小屋9:30 摺古木山10:10~25 自然 園休憩舎水道12:30 水道局小屋14:20

 7月に大平で朝を待ったが大雨で中止。再挑戦は快晴に恵まれました。
 大平からの林道の状態が悪いと聞いていたので、少し入ったところに建つ飯田市水道局小屋の近くに車を停めて歩き出す。摺古木山自然休憩舎まで2時間少々、久し振りの荷は重い。進む程に紅葉が美しく足が止まる。
 林道終点の自然休憩舎にはRV車が3台。(RV車でないと登れないです)
 軽トラックに下山者が鈴なりに乗って下って行く。どこかの宿で送迎しているのでしょうか?。
急傾斜の横からカラマツの黄葉が美しい登山道に入り、急登を過ぎると山腹を巻くように平坦な道が続き、天然公園経由の道と直接登る道の分岐に出る。
 直接登る道は1㎞急登が続き、尾根に出ると摺古木山頂は近い。山頂からは越百山から中央アルプス、御嶽山、後ろには南アルプスが浮かび展望は抜群。今日登った10名程とここで出会う。
 摺古木山からヤブ漕ぎで(腰から胸ほど)シラビソ林のなか、道を外さないように進む。小さなコブをいくつか登り返してやっと白ビソ山に着くが、とても長く感じた。ここから安平路避難小屋へはすぐ着いた。
 ログキャビン造りの小屋は16年も過ぎて、入口の扉が重くて動かない。こじ開けて入るが、一晩中開いていて心配でした。
 小屋から安平路山まで地図では50分と書いてあり、明日山頂に向かうことにし、水を確保して(水場へ10分)早めに休むことにする。
 満天の星、眼下の街の灯が美しく輝く夜。シュラフの中から星空を眺めながら眠り込む私。

2日目  快晴
 5時起床、朝食後ヤブ漕ぎで安平路山へ。御嶽、北、南アルプスが見え隠れしながらずっと眺められる。
 35分で山頂に着くが、待望の山は林の中で展望なし。奥念丈方面はさらに笹が深い様子です。
 小屋に戻り往路を引き返して摺古木山へ。今日は静かで誰もいない。
 天気もよいので天然公園展望台へ向かう。こちらの道は刈り払いされていて楽です。展望台はシャクナゲの自生地で、花期は賑わうそうです。
 カラマツの林のなか、小さな沢やザレを横切って緩やかに行くと、昨日の分岐に出て、摺古木山自然休憩舎へ。(今日は車なし)ひと息入れて林道を最後の紅葉を楽しみ車に戻りました。 (土岐典子 記)


【飯綱山】 期 日 10月30日  晴 パーティー L和田、小川、益田、村田、 大西利、石川、市川
コースタイム 神告げの湯7:00 飯綱山 南峰9:10~10:10 飯綱山10:20~11:00  瑪瑙山11:45 中社13:10(鏡池往復) 神告げの湯15:00   写真

 神告げの湯に車を置いて出発。途中チビッコ忍者村があり、その先が登山口で、雑木林の尾根に取り付く。
 鳥居をくぐると笹原になり、急な斜面を気を付けながら歩く。次第に視界が広がるが、ガスっていて何も見えず残念。
 高度を上げるにつれ、雲の間から青空が見え始め、南登山口の分岐を過ぎるとすっかり青空になり、振り向くと北アルプスが雲の上に顔を出している。
 南峰を飯綱山と思ったり、飯綱神社を避難小屋と間違ったり、いろいろありましたが展望は最高でした。目の前の高妻山、妙高山、火打山、遠くには槍ヶ岳から穂高岳、またこの夏に登った白馬岳~唐松岳~五竜岳や、あの不帰キレットも見える。今まで雲がかかっていた戸隠山も見えた。頂上には飯綱山の大きな標識がありました。
 ゆっくりお昼を食べ、景色を十分楽しんだ後、瑪瑙山に向かう。笹原の広い尾根の道が瑪瑙山まで続いています。急坂で刈ったばかりの笹がそのままなため、滑りやすく怖かった。
 瑪瑙山の目の下は戸隠スキー場で、戸隠山や高妻山は近くで見ると荒々しく、迫力がありました。
 スキー場を下り怪無山を巻いて、紅葉のきれいな水路沿いの道を歩き、広い道に出ると神告げの湯の駐車場に着いた。
 お風呂は後回しにして、車で鏡池に向かう。池に映った戸隠山と紅葉が素晴らしかった。
 神告げの湯で汗を流し、美味しい打ち立ての新蕎麦を食べた。天気に恵まれ楽しい山行でした。  (市川いつ子 記)

GSK383ー2006.11

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GSK382ー2006.10

【塔ノ岳】
期 日 9月19日 晴後曇
パーティー 新井、小川
コースタイム 蓑毛8:15 ヤビツ峠9:15 三ノ塔10:55~11:05 塔ノ岳13:10~40
大倉16:10

 蓑毛の登山口に「ヒルに注意!」の立て札。中ノ沢を思い出し注意して登るが、天気がよいせいかヒルは見当たらず、いい汗をかきヤビツ峠に着きました。
 表尾根に登るのは何年ぶりだろうか、台風も日本海に抜け、久し振りの青空です。
 富士見橋から林道に入り、急斜面の登りになります。二ノ塔からの展望はよく、大山、相模湾に江ノ島、真鶴から伊豆半島も見え、箱根連山や富士山も少し頭を見せている。
 三ノ塔からは表尾根の稜線と、大倉尾根がぐるりと見渡せるが、風が冷たく、休憩舎の中で休む。
 ここからは塔ノ岳に向かって気持のいい稜線歩きが始まります。
 行者岳の岩場には立派な鎖がついていた。書策小屋はすっかり荒れ果てていました。
 木の又小屋から見えていた尊仏山荘も、塔ノ岳に着いた頃にはガスに覆われ、残念ながら山頂からの展望はありませんでした。
 花立を少し下ると視界もよくなり、途中駒止小屋の所で、生まれたばかりの子鹿と母鹿を見ました。
 大倉高原山の家の水場でノドを潤し、秦野盆地を眺めながら2人きりの静かな山行を終えました。 (小川 豊 記)

GSK382ー2006.10

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GSK381ー2006.09

【宝川・ナルミズ沢】 期 日 8月7日 晴 パーティー L小川、江黒、大西利
コースタイム 林業試験地5:20 渡渉点6:50 大石沢分岐8:10 朝日岳10:45~11: 40 渡渉点13:50 車15:20

 林道終点から約1時間で渡渉点に着いた。「さァー沢を渡るぞ!」と2,3歩歩いたら、ナントナント! かかとのフェルトが1つ2つ流れた。「オイッ オイッ!そんなアホな!」足を折ってからすぐに買ったので、家族からあきれられた沢用の靴だ。
 やっと1つつかまえた。ナルミズ沢沿いに次の沢の出合まで山靴で歩き、針金を調達する。   出合についてすぐに補修を始めたが、江黒さんから「雪も多く残っているようだし、尾根を行ったら?」という提案で尾根に変更した。
 ヘルメットなどをデポし、急な登りをスズメバチにまといつかれながら樹林帯を抜けた。
 時々は風が吹くが暑い!。まぎれもない夏の日射しだ。
 踏み跡ははっきりしている。高度を稼ぐと至仏、笠、武能岳が見える。
 沢すじに雪が光っている。ナルミズ沢上部にも雪が残っているようだ。急登が終わり木道に出ると秋の気配。草紅葉が少し色づいている。
 頂上には3人の女性が休んでいた。60半ばぐらいか、外見は普通のおばさんだったが、かなり速く歩くようだった。オバさん オソルベシ!。
 頂上で1時間ほど景色を楽しんでから下山。アッという間にデポしておいた大石沢出合に着いた。薄くなったスノーブリッジを江黒さんが渡っている。後で本人がそれを確かめて声を上げていた。
 林道に戻ってからハクビシンを見た。野生のそれは初めてでしたが、やけに動作が緩慢でした。 林道終点に駐車しておいた沢でサッパリ汗を流しました。
 サッパリ汗を流しましたが、記憶まで流してしまい、ズボンとシャツを忘れてきてしまいました。しかしパンツはしっかり持って帰っていました。 ナンデダロー? ナンデダロー?(チョット古いか……) (大西利春 記)   



【谷川連峰・朝日岳】 期 日 8月7日 快晴 パーティー 土岐、他2名
コースタイム 土合5:00 白毛門8:45  笠ヶ岳9:25~45 朝日岳11:35~55 清水 峠13:55 白樺避難小屋15:45 土合18:50

 土合駅にて仮眠。土合駐車場は上越線の踏切を渡り、土合橋の手前の山荘横から入るが、暗いのでわかりづらい。(前にきているのに忘れてしまいました)
 歩き出すとすぐに東黒沢を渡り、大木の根元をよじ登る急登が続く。樹林越しに谷川岳を眺め、辛い登りを頑張ると松ノ木沢の頭です。アキアカネの飛ぶ中でひと息入れる。
 白毛門を右に見てジジ岩、ババ岩はどちらかなと思いながら、短い鎖場を越すと白毛門山頂に飛び出した。
 大展望のなか稜線越しにこれから向かう笠ヶ岳、朝日岳が見えてくる。 笹原の中を鞍部に下り、登り返すと笠ヶ岳山頂。ヘリが上空を飛び、1時間ほど何度も繰り返しての飛行は、訓練かなと思いながらヘリの下で昼食です。
 山頂直下にはドーム型の避難小屋が建っています。小屋から小さなピークをいくつも越し、お花畑が続く稜線を辿り、待望の朝日岳に着く。山頂は広く道標、祠が置かれ眺めはよい。
 下山道を変更して清水峠に下る。木道の右手には大小の池塘が続き、ジャンクションピークを過ぎると巻機山への分岐。この道は歩かれていないようで、笹の中です。
 木陰のない長い下りが続き、送電線鉄塔の向こうに白樺避難小屋、JR送電線管理小屋が笹原のなかに建っている。小屋でひと息入れたいところだが、時間を考え先を急ぐ。
 JR送電線巡視路は水平道が続くが、沢のところは道が崩れていたり、ヤブだったり気の抜けない道でした。
 蓬峠からは整備されていてホッとしました。
 白樺避難小屋から直に旧道と新道分岐に出て、新道を急ぐことにした。(沢から離れた旧道の方がよかったらしいです)
 つづら折りに急下降して湯桧曽川に近づく。武能沢等沢をいくつか渡り、幽ノ沢巡視小屋前の分岐で迷うが下る。ここも登らないと増水時、マチガ沢等が渡れないそうです。
 一ノ倉沢を渡り、マチガ沢は新しい橋が流されたばかりで、対岸へよじ登り登山道へ。やっと林道に出ました。
 長い一日で、温泉にも入らず帰りました。        (土岐典子 記)



【大キレット越え】
 期 日 8月14~15日 晴 パーティー L江黒、林
コースタイム 上高地6:05 横尾9:00  天狗原13:50 南岳小屋16:00(泊)4:00 北穂高小屋6:40~7:00 涸沢8:55 横尾11:10 上高地14:00

 槍~西穂の間で唯一歩いていないところ、大キレット越えをやる機会がやっと巡ってきた。
 上高地まではいつもの「さわやか信州号」で入る。今日は長丁場なので、写真は控え目にと思いながらも、ソバナ、センジュガンピ、ミヤマモジスリ等色々咲いていると、ついシャッターを切ってしまった。
 大曲まで来ると今までよい天気だったのに、槍はすっかり姿を隠してしまった。しかし幸いなことに天狗池でのんびりしていると突然ガスが切れ、池に映った槍の写真を撮ることが出来た。   南岳小屋は以前見たときより大きく、きれいになっていた。テントも34張あった。今晩の宿泊客は90名だそうだ。

 2日目 晴
 満天の星の下、懐電を点けていよいよ出発。昨日の内に11年前に雨で引き返した地点より5分くらい先まで下見をしておいたので、暗くても気分は楽だ。
 目の前に北穂高小屋の灯が灯台のように光っている。小屋から25分で二つ目の梯子を過ぎ、5時5分、常念岳の左に太陽が上がるのを見る。
 長谷川ピークは、従来の鎖の他に金属製のステップが岩に付けてあったが、このコース中一番緊張し面白かった。
 飛騨泣きの少し先で、北穂から下りてくる4人組に初めて会った。
 北穂高岳からは360度の大展望だ。今まで来たなかで最高の天気だ。充分展望を楽しんで涸沢へ下る。
 明神から上高地まではやたら人だらけでまいった。時間があるので駐車場から2分くらいの所にある上高地アルプス山荘でゆっくり風呂に入り帰途についた。上高地アルプス山荘 600円(15時まで)   (林 亨 記)



仙丈岳】 期 日 8月14~15日 パーティー 大西利、他1名    写真
コースタイム 北沢峠7:20 森林限界   9:45 小仙丈岳10:43~11:30 仙丈岳13:0 0(泊)5:35 仙丈岳5:50~6:00 藪沢分 岐7:25 北沢峠8:35 西側夜叉神峠登山 口11:35 水場12:30 東側登山口13:26

 久々の中央線の夜行で行く。23時54分新宿発ムーンライト信州84号は、全席指定の古い特急型の車両だ。
2時間余りで甲府に着くので、寝る時間が小刻みになってしまう。4時発広河原行きも4台位増発され、立ち席の乗客をいなくしている。
 車掌も乗っていて、それも久しぶりだった。広河原は魚釣に来た人や学生の登山パーティーなどもいて、マン・ウォッチングで飽きない。
 マイクロバスから北岳が蒼い空をバックに、急斜面をのぞかせているのが見える。 
 北沢峠では、戸台側から先に着いていた先輩が私を探していた。
私が増発した3台目の最後の方になってしまったので、「やっと来やがったな……」という顔をしていた。
 朴の樹の葉っぱでくるんだ朴の葉寿司で腹ごしらえをして、登るコースを確認する。
 天気がいいので尾根伝いに行く。  樹の間から見る北岳や仙水峠、駒ヶ岳が高さを知るのにいい尺度だ。
 森林限界を過ぎてもなかなか南側の雲がすっきりとれず、常にガスが湧き上がってくる。
 小仙丈岳で大休止。カールを見ながらコーヒーを飲む。今夜は仙丈小屋泊まりなのでのんびりだ。
 雷鳥の親子やホシガラスを見る事ができた。すれ違った女の子は「オコジョを見たよ」と言っていたので、岩場になると時間をさいてあちこち見ていたが、オコジョを見ることはできなかった。
 頂上近くの山腹をトラバースする時は、以前春に腐った雪が残っていて、恐かったのを思い出した。
 頂上に着くと仙丈小屋は眼下の藪沢カールの真ん中にあって、テラスが駐車場のように見える。
 小屋までのダラダラ道を、地蔵尾根との合流点を確認しながらのんびり下る。
 少し寒かったが小屋番が「飯だよー」と言いに来るまで、鋸尾根や八ケ岳、北アルプスを肴に存分に呑んだ。

 2日目
 往路を下山。同行者とは北沢峠で別れた。
「おまけ」
 北沢峠に下山したのが早かったので時間が余り、夜叉神峠を西側から東側に抜けて来ました。
 バス停からいきなり雑草で隠された廃道に近い道をつづら折りに登る。
 ある程度高度を稼ぐとゆるい登りで山腹を巻く。バス停から40分くらい歩いただろうか、水場にアベックがいてビックリした。(むこうもビックリしていた)峠から水を汲みに来たと言っていました。夜叉神峠で残りのパンでも食べながら白峰三山でも見ようと思いましたが、雲がかかっていてそれはなりませんでした。   (大西利春 記)



【雨飾山】 期 日 8月19日 快晴 パーティー 男10人、女11人、添乗員、ガイド
コースタイム 雨飾温泉5:30 笹平9:10 雨飾山9:30~10:30 雨飾温泉13:15
 
 初めてツアー登山に参加してみました。読売ツアーでは難度はCで、鳥海山はBとのことです。
小型バスで7時間近くかかり腰の痛い事。小谷温泉からの予定が道路事情により急に変更になりました。 薬師尾根は登山口からいきなり急登の連続で、一気に笹平迄登るきついコースです。汗が噴出してくるが、台風10号の余波か、ずっと風が吹いていて助かりました。 女性たちはツアー仲間が多いようで、急登の連続なのにおしゃべりの絶える事はない。山歩会のIさんが10人もいるようで強い事。男性陣は静かだが、やはり経験が多いように見受けられた。
 笹平は一面の笹原ですごく気持ちの良い所です。その中にたくさんの花々が咲いている。ヅダヤクシュ、レイジンソウ、ハクサンウツボなどなど、女性達は足だけでなく花にも強くて、私の聞いた事のない名前が次々と飛び出してくる。
 360度の展望を楽しみながらも、ツアーのお弁当は食べる気にならず、バナナですませた。
以前に登った朝日と雪倉を目の前にして、五輪尾根のカライトソウの美しかったことや、朝日小屋の食事の美味しかったこと等を思い出していました。
焼山の奥に火打山も見えて、以前に山頂手前で帰って来たときの消化不良感がこれですっきりしました。 下山ではあの元気印の人達の中にも遅れがちの人達も出て来て、それを見た私は少し安心?していました。 雨飾温泉入浴500円 トイレ100円  (伊比美弥子 記)



【針ノ木岳~爺ヶ岳】 期 日 8月21~23日 雨後晴 パーティー 新井仁、七
コースタイム 扇沢6:45 針ノ木峠11:45 (蓮華岳往復)針ノ木小屋(泊)5:00  新越山荘12:10~40 種池山荘15:30(泊) 5:10 爺ヶ岳6:10~30 扇沢10:00

 アルペンルートのチケットを買い求め
る人達が並んでいる、扇沢駅の左手から針ノ木登山道は始まる。
 この日はカッパを着たり脱いだり、雷が聞こえたりと忙しい日であった。
 針ノ木の雪渓も例年より長いようだ。奥さんも結構バランスよく後ろについてくる。ツメの九十九折りをこなすと針ノ木小屋で、天気もよくないので早々に受付をすませる。連れは昼寝、私は蓮華岳まで行ってきて、コマクサの群落を見てきました。

 2日目 
 今日は種池山荘までの楽しい縦走です。4時半起床、5時出発。まだ出て行く人は少ない。岩場をよじり、右下に雪渓を見ながら登り切ると、山行中最高峰である針ノ木岳頂上です。
 真下に黒部湖が見え、剱、立山の2500m
から上は雲の中だ。ガレ場を下りスバリ岳に向かう途中、可愛らしいオコジョに会いました。
 赤沢岳を過ぎ、今歩いている下に“関電トンネル”が通っているのかなどと、想像している内に新越山荘に着きました。 こぢんまりした清潔な印象を受けました。この後カッパを着たり脱いだりしながら種池までのお花畑を楽しみました。
ハクサンフウロ、トリカブト、ウサギギク、もう山は秋色かな。

 3日目
 外はガスっていたが、集団より早く出発した。登るにつれガスが晴れ、左前方に鹿島槍が姿を見せ始めた。
 爺ヶ岳中央峰からは剱、立山は目の前。昨日縦走してきた山々、意外に大きい蓮
華岳、その左手に槍、穂高もハッキリ望

め、私はもちろんですが、奥さんもメッチャはしゃいでいました。
 カメラに収め下山を始めると、なんとブロッケン現象も見られました。
 種池山荘で朝食をとって柏原新道を下りました。夫婦で北アルプスを歩けたことに感謝。   (新井仁志 記)



【双六岳~鷲羽岳】 期 日 8月21~23日 パーティー L和田、小川、佐藤仁   写真
コースタイム 新穂高7:15 鏡平12:20双六小屋14:40(泊)6:00 双六岳7:05~30 三俣蓮華岳8:30 三俣小屋10:00  鷲羽岳11:15~30 岩苔乗越12:30 三俣 小屋14:00(泊)7:00 双六小屋9:30~10: 00 新穂高14:45

 新穂高温泉の駐車場、激しい雨の音で目覚める。ラジオで天気予報を聞いても回復の兆しもなく、午後からは山は雷雨と最悪。
 雨も小降りになり7時15分双六小屋を目指し出発。鏡平に着いた時には雨も上がり空も明るくなり、このままを期待して再び歩き始めるが、しばらく経つと雷鳴が響き渡り、稲妻が走り始めたと同時に激しい雨が降り出し、完全に行く手を阻まれ立ち往生。と言うより恐怖で動けなかったと言う方が正解。
 小降りになった所で、先に行ってた和田さんが降りて来て「さあ行こう!」で行動開始。
 グングン登り稜線に出て歩いていると、いつしか雲が切れ、槍・穂高連峰が目の前に広がり、俄然元気を取り戻し一気に双六小屋へ。
 14時40分到着し、テントの申し込みを済ませ、ベンチで「生ビール」で乾杯。この一杯は最高でした。
 テント場に戻りテントを張り食事。明日は黒部五郎岳を目指す為、早めの就寝。 寝ると同時に雨が降り出し、夜中には雷雨。三人で話し合った結果、黒部五郎岳を中止にして鷲羽岳に変更し、出発も6時に変更。

 2日目 晴
 起きると快晴。朝食を済ませ時間通り6時に出発。1時間程で双六岳の頂上。槍、穂高、乗鞍、御嶽、笠ヶ岳、行きたかった黒部五郎、薬師、水晶、これから行く三俣蓮華岳、鷲羽岳と素晴らしい景色が広がり大興奮。
 双六から三俣の稜線も三俣蓮華岳の頂
上も興奮しっぱなし。
 10時20分、三俣小屋に到着。テントの申し込みを済ませ、軽いザックで鷲羽岳へ。
 その後ワリモ岳、岩苔乗越を経て黒部の源流へ。そこは綺麗な水とお花畑で神秘的な所でした。14時にテントに戻り、日が暮れるまで語り合ってゆっくりした時を過ごし、いつの間にか就寝。
 夜中にテントの外へ出て空を見上げれば満天の星。なんとなく物思いにふけり、いつまでも見上げていた。

 3日目 晴
 最後の朝も晴天の予感。小屋の前には槍ヶ岳が日の出を待っている。その風景を目に焼き付け、6時ゆっくり歩き出す。
 三俣蓮華岳で昨日より遠くの山々を見る事が出来たが、あっと言う間にガスがかかってしまい、双六岳の巻道から双六小屋を目指す。
 途中、大きな雪渓で写真を撮ってる双六小屋のご主人、写真家の小池潜さんに会う。その場所はまさにチングルマの咲き誇る別世界でした。
 真夏の暑さを感じ、水の美味しさを感じ一気に新穂高へ向かう。    (佐藤 仁 記)
 


【以東岳】 期 日 8月21~22日 パーティー L立田哲、き、益田、落合    写真
コースタイム 泡滝ダム7:50 大鳥小屋 11:10~50 以東岳13:50 以東小屋14:00 (泊)6:15 大鳥小屋10:15~50 泡滝ダ ム13:30

 1日目 曇時々雷雨
 登山口から大鳥小屋までは冷たい沢の水が行く先々に流れ、飲んだり、顔や首筋を冷やしたりでき、とても助かった。 小屋で食事を取り出発。すぐ急登が始まり、30分くらいで落合氏が体調不良で大鳥小屋へ戻る。迷ったが私達3人は以東小屋へ行くことにする。遠くで雷の音、空も徐々に怪しくなってきた。
 三角峰辺りからお花畑が迎えてくれた。キスゲやヒメサユリも咲いている。遠くの稜線には小屋も見える。
 3人とも暑さと疲れで地図も見ず、自分達の泊まる小屋も確認しないで歩く。 オツボ峰を過ぎ、小さなアップダウンに入るころ雨具を着用。稲光と共に音も近くなり、本降りとなる。
 以東岳山頂がとても遠く感じられた。でもコースタイムは予定どおりでした。
 山頂の標識板を見たときは3人ともホッとし、下に見える小屋へ下る。水場は遠く登りがきつく、男性が頑張ってくれ、ひと息つけた。
 日没近くに展望がよくなったので、もう一度山頂に行くが、30分くらいで雲が上がってきた。
2日目 曇
 夜中に一時降った雨も出発するころは霧の中。
 山頂を下り始めると、視界はスッキリ展望もよくなる。アサマブドウを食べたり、見事なリンドウ、マツムシソウの花畑を眺めたりと、たっぷり以東岳全体を目に焼き付けて下る。
 樹林帯に入るころまた雨になり、小屋で落合氏と再会。大鳥小屋は3人で淋しくはなかったが、蚊も仲間入りで、寝不足だったようです。
 でも帰りは足どりも軽く下山することが出来ました。
 3日目の月山は、雨のため中止しました。       (立田きよ子 記)



【白馬岳~五竜岳】 期 日 8月22~24日 単独
コースタイム 白馬駅5:45 猿倉6:45  白馬尻8:05 白馬山荘14:00 白馬岳15: 15~45 白馬山荘(泊)5:00 鑓ヶ岳7:10  天狗山荘8:05 唐松岳13:40 唐松山荘 14:20(泊)5:45 五竜山荘8:00 五竜岳8:50 五竜山荘9:45~10:10 小遠見山12: 35 アルプス平14:10

 1日目 晴後にわか雨
 白馬駅から猿倉へ入り、登山届けを出し、少し緊張しながら白馬尻へ。今年は雪が多く、大きなクレバスがあり、アイゼンを着けて歩き出す。
 途中から夏道に入ると花が満開です。花の名前だけでレポートが終わりそうです。
花を楽しみながら登っていると、いきなりの雨に避難小屋まで急ぐが、閉まっていて入れず、雨の中で雨具を着けて、雨宿りも出来ず歩き出しました。でもすぐに上がりました。
 白馬山荘にザックを置き、ガスの晴れるのを待ちましたが、待ちきれず頂上に向かいましたが、また雨に降られ、戻ってきて、ラウンジでコーヒーと桃のタルトでのんびり過ごしました。

 2日目 曇
 午後に雷があるかもとの予報に、5時出発。杓子岳を巻き、登りに弱い私の前に鑓ヶ岳のきつい登りつづき、ゆっくり歩くと頂上に着いた。
 急な斜面を下ると天狗山荘に着く。山荘前のお花畑は素晴らしい。いい時に来たのかも知れません。
 天狗の頭までは平坦な道が続き、天狗の大下りは一気に300m下り、気合いを入れ鎖を手に一歩一歩下ります。
 ここから不帰キレットの難所、不帰Ⅰ峰からⅡ峰の北峰までは鎖の連続で、黒部側と信州側を回り込みながら、切り立った岩場を進み、Ⅱ峰南峰に辿り着きホッとする。あとひと登りでⅢ峰だが、登ってみるとそれは唐松岳山頂でした。なんだかだまされたみたいです。
 振り返っても不帰ノ嶮はガスっていて見えず残念です。
 唐松山荘に着き、冷えたビールで乾杯しました。目の前に剱岳です。  

 3日目 曇時々晴
 外はガスっていて何も見えないが、五竜岳に向けて出発。牛首の濡れている鎖場を慎重に下る。岩場の緊張と、景色が見えないので、大黒岳はいつ越えたのか分らず歩いていました。
 途中でガスも晴れ、明るく開けた尾根の急な斜面を登ると白岳。遠見尾根への分岐を左に見て五竜山荘に下る。山荘にザックを置き、頂上へ広い斜面を登るが、段々きつくなり岩がゴロゴロしてくる。直下は鎖場で緊張した。頂上に着くが三角点はもう少し先にある。
 目の前に鹿島槍ヶ岳が見え、来年行ってみたい山です。
 展望を楽しんだ後山荘に下る。白岳に登り返し遠見尾根を下るが、崩れやすい急斜面と鎖を伝って下る。ダケカンバの巨木が多い樹林帯を下る。ガスっていて展望が悪く残念です。
 小遠見山からはハイキングコースになっているので軽装の人達が多い。アルプス平からテレキャビンに乗りとおみ駅に下る。乗り込む時に冷えたおしぼりをくれました。
 とおみ駅でお風呂に入り汗を流し、神城の駅まで無料で送ってくれました。
 3日間天気に恵まれ、優しい人達に会え、楽しい山行が出来ました。 (市川いつ子 記)



剱岳・北方稜線】 期 日 8月21~24日 パーティーL清武、石井征、江黒、斉藤 和、小山、柴崎
コースタイム 剱沢CS6:30 二股吊り橋 9:35~10:00 池ノ平小屋12:50(泊)4:4 0 小窓7:05 小窓ノ王肩10:00 三ノ窓 10:30 池ノ谷乗越11:45 長次郎谷左 俣コル13:15~30 剱岳14:10~40 剱沢 CS19:00   写真

 高みから剱が誘っている。
 早暁の剱沢のサイトは冴え冴えと山の気で満ちている。今日は北方稜線の足掛かりとなる池ノ平までの道のり。剱の基部を半円を描いて周り込むことになる。 入山日の空は明け方、多少気色ばんで強い雨を降らし、その後は神経質な空模様が続いていた。
 今朝は時間的な余裕もあって、落ち着いたサイトの出立となった。落石の散らばる幅広い剱沢の雪渓をひとしきり下る。早くも源次郎尾根に取り付いたパーティーの交わすコールが、朝の静寂を破って渓に響いていた。
 真砂沢から河原を進み、時に岩場をへつって南俣の流れと付かず離れず進む。流れは目には涼しい景観だが、ジリジリと身体を干してくる夏の日射しにしっかりと捕まった。
 6年前の記憶のどこかにある足取りを追いながら二股に。明日伝うはずの裏剱の全容がようやくここにきて現わになった。
 仙人新道を登りつめた辺りで空が暗転、ポツポツと夕立ともつかない雨が落ちてきたが、黄昏にはまだ早い時間に池ノ平の小屋にザックを降ろすことができた。
申し分の無い上天気の朝をむかえた。この上ない僥倖に感謝したい。白んだ夜明けを待って、鮮明なシルエットを描いた八ッ峰に向かって一歩を踏み出した。 朝露に濡れた草を分けながら旧鉱山道を辿り、ジグザグを切って小窓雪渓に降り立った。
 雪渓の舌端を背中に視野に届いている小窓に向かって直登。アイゼンが小気味よく効いて快適な登行である。白く敷きつめたアプローチが尽きて、小窓の鞍部から願っていた北方稜線の縦走が始まる。
 頭上の陰ったルンゼに取り付く。両手を動員する登行が始まった。途中、本来のルートから逸れたのか、小屋で泊まり合わせた地元在住の男性から、アドバイスの声が背後から飛んできた。
 不明瞭な踏み跡を拾いながら、やがて小窓側の領域をトラバースをする斜面へと踏み入った。
 向かいの仙人山に広がる風景は平和だが、?む岩、足元の浮石に神経を注ぎ込んでの前進である。
 気になっていた雪渓が現れた。急斜面のトラバースはシュルントが大きな口を開けていた。上部にロープをフイックス、アイゼンを着けて万全の措置で乗りきった。時々ペンキ印に出会うが、ガスに包まれたらスラブ帯のルートは読みづらく難渋をしそうだ。
 打ち合わせで懸念されていた小窓から、小窓ノ王の肩までやはり3時間を要した。
 頭をややかしげた小窓ノ王の基部を慎重に下降。右手の深さの分からない池ノ谷が奈落の底を思わせる。明るい三ノ窓に降り立ちホッとする。
海津夫妻の伝言を見つけ緊張の中にも和む瞬間であった。
 更に息の抜けない池ノ谷のガリーが立ちはだかる。浮石の積み重なった嫌らしい登りだ。
 登りだしてまもなくひと抱えもある岩がゆっくりと起き上がり、膝をかすめ辺りの岩を巻き込んで、江黒の足下をすさまじい音と共に落ちていった。
 据わりの不確かな岩屑をだましだまし踏み押さえ、アリ地獄から抜けでるように池ノ谷乗越に這い上がった。どこを見ても削ぎ落とされた壁に囲まれた。
 それでも八ッ峰、長次郎谷を俯瞰する位置までやってきた。本峰との距離もゆっくりと詰まって来た。その後もバンドを伝い、シュリンゲに縋りギャップを越える場面もあった。
 トップの清武が突然脇に下がり斉藤、小山に先を促した。目の前の岩を回り込むと紛れも無い本峰の頂、社が正面に鎮座していた。
 思わず二人が目頭を押さえている。私同様、ラストチャンスを物にした石井は破顔一笑。思い入れもひとしをだった北方稜線が、今年の運を使い切るような完結を見た。
 渾身の一日が終わった下山日、雷鳥沢には眩しい日射しが弾けていたが、空にははや移ろう季節の鰯雲がゆったりと浮かんでいた。 (柴崎 朝男 記)

 〈鬼の目にも泪〉
「ここから先に歩いて」とLから手招きされた。「ハイ」と岩角をまわり込んだら、祠が?、突然胸が熱くなる。アト数メートル、最後の力を振り絞って、絞って……。緊張の糸が切れた途端、泪が、泪が、どうしよう? 止まりません。
 諦めかけた北方稜線を、みんなと一緒に歩けた嬉しさはもちろんだけど、いろんな事が思いだされて……。
 膝の不安があって自信をなくしていたとき「何があっても立たせてあげるから」とLから勇気づけられ、「待ってるからね。諦めないで」と何度も小山さんから励まされ、色々あったけれど「気を付けていくんだよ」と送り出してくれた母、歩けないときから支えてくれた山仲間、皆がいてくれたから、今があるんだと思うと、第1波、第2波が押し寄せ、格好悪いけど泣かせてもらいました。
 治まったところで石井さんが、とっておきのCCレモンで祝福していただき「シアワセでした」しかし、シアワセもここまでで、辛い辛い下りの5時間でした。とにかく無事に剱沢に到着できたときは、カスも出ないくらい燃え尽きていました。
 7年前は北方稜線が、どこにあるのかも知らなかった小山さんの成長が嬉しかった。「今度は私が和子さんを北方稜線に連れて行きますからネ」の言葉は嘘ではなかった。Lとの的確なロープワークと、手際の良さを目の当たりにして「こんなに立派になっちゃって」と頼もしく感じました。
 今回の山行の成功は、一に天候に恵まれた事、そして2人の心強いサポートがあった事、そして皆の心がひとつになった事。
 見上げれば空はすっかり秋の雲、いい夏だったなアー>。  (斉藤和子 記)



【鳥帽子岳~針ノ木岳】
 期 日 8月21~24日 単独   写真
コースタイム 高瀬ダム7:00 三角点10: 10~20 烏帽子小屋11:50(泊)5:30 鳥 帽子岳6:15~35 南沢岳7:45~8:00 不動 岳9:30 船窪岳13:30 船窪小屋15:00  (泊)5:25北葛岳7:25~7:45 蓮華岳10:1 5~30 針ノ木小屋11:20(泊)4:00 針ノ 木岳4:50 赤沢岳7:25 種池小屋11:45 扇沢14:30

 1日目 雨後曇
 高瀬ダムでタクシーを降りた時は雨が降っていた。雨具を着けて歩き出す。
 河原を過ぎると急登の始まりだ。先を考えてゆっくりと登る
 雨具の中はすぐに汗でグッショリと濡れ、樹林の中をひたすら前に足を運ぶ。 やはりブナ立尾根はきついのである。途中で食べたソーメンがとても美味しく、また元気になって烏帽子小屋に着くことが出来た。

 2日目 晴後曇
 朝食を食べてから歩き出す。前烏帽子に着くと、立派な鳥帽子岳がドカーンと現れる。「カッコイー」と思わず叫ぶ。岩につかまりながらガンガン登る。
 山頂はオベリスクのようで一人がやっと登れ、岩の窓からは剱、立山が雲海に浮かんで素晴らしい構図である。
あまりの景色に見とれてしまい「スイマセーン交代してください」と言われてしまった。
 鳥帽子岳からは同行者は誰もいない。広い世界にただ一人、可愛い花を眺めながら青空の中を歩くのは気持ち良い。今年は花が沢山咲いています。
 不動岳で人に会う「船窪岳は結構大変でした」とか、ちょうどここから船窪岳の全容が見えるので説明をしてもらった。「ハハーンなるほど大変だ」
 ここからは気を引き締めて歩くことにしよう。船窪岳は山半分がガレ落ちていて、その山が4個くらい続いた山でした。
 樹林の中を歩いたり、ガレ場を下ったりで大変。途中カミナリに脅かされ中々着かない。「船窪小屋はもうすぐです」の看板にホッとしたが、それから10mもあるハシゴを登り、30分も歩いてやっと小屋に着くことが出来ました。「なにがもうすぐだ!」小屋のおばさんがお茶を運んできてくれた。35人位泊まれる小さな山小屋はいっぱい。綺麗で感じが良い。食事も天ぷら2人前、美味しかったが他にもいろいろあって食べきれない。しばらくして「お茶が入りましたからどうぞ」と甘茶がふるまわれる。
 ランプの灯りの下でとつとつと話す親父の声に一同耳を傾ける。親父の隣には黒々とガッチリとした外人、この人はネパール人のシェルパで、三浦雄一郎のサポートをした人。夏は船窪小屋でアルバイトをしているとか、片言の日本語でエベレスト登山の現状や裏話を話してくれた。やはり日本人は金でエベレストに登っているのか、このシェルパも8000mまで酸素ボンベを担いで登ると言っていた。

 3日目 晴
「今日は良い天気になるよ」と、親父さんが鳴らす鐘を聞きながら小屋を出る。
 小屋の上から前穂や槍が良く見える。七倉岳にはすぐに着いた。雲海に浮かぶ山々が美しい。
 ここからいったん下って北葛岳へ登り、また大下りして蓮華岳への大登りとなる。クサリ、ハシゴとかなりきついが、牛歩、牛歩、と自分に言い聞かせ、いっぱい咲いたコマクサの写真を撮りながらの登りだった。
 山頂には3人いたがやっぱり逆コースは少ないのか。

 4日目 晴
 針ノ木小屋を4時に出る。日の出前に山頂に着いたがガスで日の出は見られず、歩き出すころになってガスが切れ黒部ダムが見えてきた。
 お天気はどんどん良くなって赤沢岳では最高のロケーションだ。剱、立山、薬師、穂高、槍、シャッターをバシャバシャ押してしまう。
 ここにずーといたい気分だが、そうもいかない。まだまだ先が長いのだ。怪我をしないように気をつけて歩く。
 それにしても今日の暑さには困ったものだ。種池小屋で昼食をとり扇沢に着いたのが14時半。扇沢ヒュッテで風呂に入り、さわやか信州号に乗って帰ってきました。  
 今回のコースは何年も前からやりたかった山でした。これは自分なりのコダワリですが、今回によって焼岳から始まり穂高、槍、鷲羽、烏帽子、鹿島槍、五竜、白馬、朝日、犬ヶ岳、親不知(日本海)

とつながった訳です。
 もちろん同行者があって出来たことと感謝致しております。また小さなコダワリを見つけて歩きたいと思っています。         (村田智昭 記)



【大雪山・黒岳~北鎮岳】 期 日 8月22日 晴後ガス パーティー 斉藤秋、く
コースタイム 黒岳登山口6:40 黒岳8:00 石室分岐8:30 北海岳10:00 北鎮岳
 11:50 石室分岐13:30 登山口14:40

 層雲峡から大勢の観光客に混じって、ロープウェイ、リフトと乗り継いで、黒岳7合目の登山口に着いた。人も少なくなり私達を入れて8人。暑い日射しを背中に登ること1時間で山頂に着いた。パーと視界が開け大感激。
 これから登る山がぐるりと見渡せる。下の方は御鉢平といい、2000m級の山々に囲まれた窪地で、広さは直径2キロだそうです。
 この御鉢平を見ながら一周コースを歩きます。石室小屋まで下り、ここを分岐に左の方に入っていく。赤石川、北海沢を渡る。この辺りは雪渓も多く残っていて、お花がたくさん咲いている。ダイセツトウウチソウ、エゾリンドウ……。
 私が初めて見る花、チシマクモマグサ、クモマユキノシタが小さなリースのように、あっちこっちに咲いていて、とてもきれいで可愛かった。
 北海岳へは、まだ所々に残っているコマクサを見ながら登ると広い山頂に着いた。ひと休みしていると風が出てきたので歩く。途中2組のパーティーと会った。
 中岳、間宮岳は山頂と区別がつかないような平らなところだった。あいにくガスが出てきたが、道はハッキリしていて安心でした。 北鎮岳はゴロゴロした岩とザレの山頂。少し明るくなってきたのでお昼にするが、残念ながらガスはとれてくれませんでした。
 広い広いチングルマの群落の中につけられた道が延々と続く。咲いてるときなら花の極楽浄土のようか……。
 石室の赤い屋根が見えたときにはホッとした。人も少なく広い山だった。 (斉藤くみ子 記)



【阿蘇 烏帽子岳】 期 日 8月20日 晴  パーティー L大西曜、誠

 年に一度の親孝行と、同級生との再会のため、今年も約一週間の里帰りをしてきたが、毎年訪ねる故郷は過疎化が進み、
精霊流しも環境問題のため、来年からは海に流さず、港で壊してしまうとのことで、なんとなく淋しい感じがした。
 今回は主人の要望で、阿蘇にも立ち寄ることにした。18日、熊本市内に一泊。
馬刺等、郷土料理に舌鼓をうち、翌日阿蘇に向かったが、台風通過の余波でロープウェイが霧のため運行停止。仕方なく宿である「阿蘇プリンスホテル」でのんびり温泉に入り、ロケーションも幸いして、ワインを2本も空けてしまった。
 東京に戻る最終日、再び阿蘇噴火口目指してバスに乗る。車中でインド人の青年と友達になり、一緒に行動することになった。聞くところによると、沖縄、長崎と訪ねその後、阿蘇、別府への日程だとか。日本語も英語も上手で、お互いメールの交換等もした。
 やがて到着した噴火口はダイナミックで雄大、そこの部分には淡い水色の液体が、湖のように静謐さを保っており、神秘的でさえある。3人で感動してしまった。その後千里ヶ浜を散策して草千里へと向かうが、青年とはここで別れ、広くのんびりとした放牧中の牛達を眺めながら、烏帽子岳の登山道を登る。かなりのヤブ漕ぎで、登山者も見当たらない。
 頂上は狭く展望も雄大だが、南阿蘇方面から白い霧が上昇してきた。なんとなく不気味で、早々に急下降した。改めて阿蘇の魅力と熊本県人としての誇りを再認識した旅であった。 (大西曜子 記)

GSK381ー2006.09

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GSK380ー2006.08

【日光 小田代ヶ原~高山】
期 日 7月11日 曇
パーティー 新井仁、七
コースタイム 滝上8:15 高山12:10~13:00 滝上13:45

 天気予報もはっきりしないまま、日光に出かけました。
 途中雨にも降られましたが、竜頭の滝に着いたときはまずまずの空模様でした。
 戦場ヶ原は花も少なく、ホサキシモツケのピンクの花があるくらいでしたが、移動教室の小学生との挨拶で疲れました。
 小田代ヶ原はアヤメ、イブキトラノオ、そしてニッコウキスゲが咲いていて、こちらはよかった。よくカメラマンの被写体となる一本の白樺が印象的でした。
 小田代ヶ原から高山の登山道を緩く登り始めたとき、左後方の笹原にいました、そう熊です。真っ黒い体長1m足らずだと思いますが、斜めにこちらに歩いてきました。
 こちらもドッキリしましたが、あちらも気がついて立ち止まりました。しばらくジッとしていましたが、私はいたたまれず、鉄砲の音よろしく、両手でパーンとやると、熊もびっくりしたように向きを変えると逃げていきました。
 ホッとすると同時に、逆にビックリしてこちらに向かってきたらと思うと、ゾッとしました。
 途中下ってきた単独の男性にこの話をしたら、また登り返してきた道を戻るとのことでした。所々に「クマ出没注意」の看板がでいましたが、まさか本当に出会うとは思ってもみませんでした。
 高山は展望がきかず、下に中禅寺湖が見える小ぢんまりした山でした。
(新井仁志 記)



【尾瀬・三条ノ滝】
期 日 7月17日 雨
パーティー 市川、平松
コースタイム 御池6:15 三条ノ滝9:15 御池12:35

 夜行バスを利用しての燧ヶ岳の山行を計画しました。
 交通規制のため、七入でバスを乗り換え御池へ。この三日間雨が降っているので、三条ノ滝に変更しようと思いましたが、小雨なので予定どおり燧ヶ岳に登ることにしました。コンパスをセットして出発。
 木道も整備されて快適です。途中で平松さんが道が違うことに気付き、地図を広げて見ると三条ノ滝に向かっていました。これから燧ヶ岳に登り返すには、時間がないためこのまま滝に向かいます。
 樹林の中を進み、大きな吊り橋を渡ると木道が少なくなり、登山道らしくなって、むき出しの木の根の急な下りとなる。
でも土の感触は歩いていても気持がいい。
 滝の手前にザックを置き、見晴台まで急な木のハシゴを下ると、目の前に水量豊富な、落差数十メートルの豪快な滝が見えました。
 帰りは道に水がたまり、坂道は水が流れ、古くなった木道は滑りやすく、慎重に歩きます。
 途中、見過ごした燧ヶ岳の登山口を、再度挑戦のため確認して御池に戻り、御池ロッジでお風呂に入り、サッパリしたところで冷たいビールで乾杯>。この一杯が最高です。
 この後、七入でバスを乗り換え、10時過ぎに東京に到着。反省の多い山行でしたが、楽しい一日でした。
(市川いつ子 記)



【尾瀬ヶ原~尾瀬沼】
期 日 7月17~18日 
パーティー 斉藤和(他1名)
コースタイム 鳩待峠5:20~6:15 山の 鼻7:40~8:10 温泉小屋12:30(泊)7:10 沼尻10:20~50 大清水14:10~15:30

1日目  雨   
 名古屋のイトコと東京駅で待ち合わせ、尾瀬に行って来ました。
 昨年、5月の上高地に大感激した彼女は、「来年は尾瀬のニッコウキスゲが見たいの!」尾瀬と言ったら水芭蕉じゃないのかなと思ったが、「じゃあ7月に行こう」と、この日を待ちました。 
 10年前に九死に一生の交通事故に遭い、自力歩行を一時は諦めたと言う彼女だが、2年位前から年に3~4回、近郊の低山を歩いていると言う。「山ってイイネー。和ちゃんの気持ちが分かったわ」に嬉しくなって、昨年の上高地、そして尾瀬へ。
「目標があればガンバレルから」と、この日のために後遺症にもめげずにトレーニングに励んでいたそうです。
仲間内ならば週間予報を見て即、中止にする所だけど、山道具総てを買揃え、「今度は私がコンロ持って行くからネ~。楽しみにしています」(徳沢で作ったラーメンが忘れられないと言う)等とメールが毎日来れば、“雨だから止めようヨ”なんて言えず、「荷物は軽く、食べ物は必要最低限、雨具は直ぐに出せる所に。じゃ9時に東京駅で待ってるね」と前日の電話で、いつもは私が言われている言葉を伝えた。
 22時10分発の「高速バス 尾瀬直行便」の乗客は“エ~これだけ?”何と8人だけでした。「どこでも好きな所で寝てください」の運転手さんの言葉に、後部座席の特等席で戸倉までグッスリ眠った。
 戸倉からはすし詰めのバス(\900)に乗換え、鳩待峠に着くと一目散で休憩所に駆け込むとココも超満員。片隅で雨具を着け、席が空くのを待って、しっかり朝食を摂って、雨脚が少し弱まったのを機に出発した。
 何組に追い越されても、私達はあくまでもマイペース。山ノ鼻に着くと「これが尾瀬なの 凄いネ~。とうとう来たんだね」立ち止まって動かない。躰も冷えてきたので「休憩所に入ろう」と促した。私はパンとコーヒーを食べたが、彼女は「さっき食べたばかりだから」とコーヒーをひと口飲んだだけ。うなだれた肩に疲れが見える。こんなに重たいザックは背負ったのは初めてだと、東京駅で会った時に言っていた。それに濡れた木道は緊張したんだろうナー、と思うと「行こうか」の声が掛けられなかった。 30分程休むと「もう大丈夫だから」と篠突く雨の尾瀬ヶ原へ続く行列の中へ。
 大渋滞になるメーンルートだが、雨のお陰でたいした渋滞もなく、写真を撮りながらノンビリ出来たので、すっかり元気になったが、「もっと、一面に咲いているのかと思ってた」と少々不服のようだが、飽きずにキスゲにカメラを向けていた。
 東電小屋からは行き交う人もなく、私達が鳴らす熊よけの鈴だけでは心細く、足早になり、小屋が見えるまでしゃべり続けた。
温泉小屋に着くと、鳩待峠では三条の滝を見たいと言っていた彼女だが、「もう滝は見なくていいから」と言ってくれたので、私はグジョグジョの靴と雨具からやっと解放されホッとした。

2日目  雨
朝食の最中に40人の団体さんのコース説明が耳に入ってきた。同じコースだ。
 雨脚が一層強くなって来たが「あの人達より先に出ようね。」と出発した。
 見晴しに向かう途中のベンチの所から今回初めて心が躍った。束の間だが、原と至仏山の“これが尾瀬ダヨ~”と言う景色が目の前に広がった。イトコは声もなく立ち尽くしている。私は団体さんが気になるからさっさっと写真を撮って出発したかったが、後方を振り返ると行列が直ぐそこまで来ていた。「行こうか~」の声に「ウン、写真撮るから」と、私以上にマイペースの人だから、まァしょうがないか。(山歩会でいつも 私がやっている事だナァと、思わず苦笑した)
 昨年泊まった第二長蔵小屋の前で雨に打たれながら一息入れ、これからの登りに備えた。計画を立てる時、ココが一番心配だったが、ゆっくり時間を掛けたので沼尻休憩所に着くと満面の笑顔で「これが尾瀬沼 大きいね~!」そして、おにぎりを美味しそうに頬張っていたので安心しました。それから、ここの名物だと聞いていた200円のトイレ(ウォシュレット)に入ってさっぱりして、さァもうひとガンバリ。
 単調な北岸道から時折見える沼に「雨に煙る沼も幻想的だネ~」なんて負け惜しみを言いながら歩いていたが、イトコの足音が遠くなってきた。こっちの道を選んだワケがもう少し先にある。振り返ったりするとプレッシャーになるといけないから、ゆーっくり歩いていると、前方が黄色くなった。「登美ちゃーん、ご褒美だよー!」するとにわかに歩調が変わった。「ここからは先に歩いて」……。
「写真は嘘つかないんだネ……」彼女の第一声が心を打った。山の神様も分かってくれたのか半時、霧雨になった。
大江湿原は ♪この広い野原いっぱい咲く花を一つ残らずアナタにあげる……♪
そこはキスゲの黄色い原でした。
 あァ、よかった。コレを見せてあげられて、ガイドブックでこの景色を見て尾瀬に決めたそうです。
 目的が達成できて足取りも軽くと言いたい所だけれど、靴はグチョグチョ、体もしっかり濡れている。彼女はというと三平峠辺りで穏やかな口調で「靴が染みてきたみたい」と、これは新品と10年物の違いか。下りの石畳や木道は滑り、緊張が続き我慢強い彼女が「あとどのくらい、2時間くらいかな?」と初めて聞いてきた。その後も何度か「アトどのくらい」こんなに歩いた事は無いと言っていたから、辛いんだろうなァ。
 腰を下ろせる所で小休止をしながら、大清水に着くと「入浴出来ます」の看板に駆け込んだ。
冷えきった躰には、普通の家庭風呂(\400)だったけれど、首まで浸かってホカホカ、生き返りました。
 さっぱりしてバスに乗り込むと、なんと乗客は3人。何だか申し訳ないです。疲れた様子のイトコを見て反省をする。沼山峠に下りた方が良かったかなと思った。
 東京 U大清水・往復\7000に惑わされたのがいけなかったナー。バスの中でも新幹線の見送りの時も、来年の事を口にしなかった。びしょ濡れの2日間だったから、もう懲りたのだろうと思っていたら、2日後に、「懲りてませんから、来年もヨロシク!」のメールが嬉しかった。  (斉藤和子 記)



【天女山~権現岳】
期 日 7月31日 晴
パーティー L小川、林、江黒
コースタイム 天女山5:45 三ッ頭9:00 権現岳10:00~11:30 天女山14:30

 昨日関東地方は梅雨明けが発表されたが、空はどんより重い。
 今日はボッカ訓練も兼ねて、テントと3㍑の水を加えて、18㎏のザックを背負って出発。
 展望はないが、イブキジャコウソウ、ヤマオダマキ、カイオタカラコウ等の花々が足取りを軽くしてくれる。
 三ツ頭に着くとパッと空が明るくなり、権現岳や赤岳が望まれ、振り返ると富士山から南アルプスが見られた。
 岩場を越えるともう山頂。そこで林さんのザックからスイカが出てきた。
うまい>。半分食べたらもうお腹が一杯になった。
 観音平から登ってきた斉藤秋パーティーを待ってから下山した。(江黒支朗 記)



【権現岳】      写真
期 日 7月31日 晴
パーティー L斉藤秋、く、村田、伊比、 石川
コースタイム 観音平5:50 編笠山8:40  青年小屋9:30 権現岳11:20~12:20  青年小屋13:25 観音平16:00

テントから抜け出すと朝靄で視界が利かない。眠りの中にまだ居る私のようだ。 梅雨が明けた日差しの中を、これから歩く身には絶好の日和だ。
久し振りの南八ヶ岳は静かな夜明けを待っていた。
今日は長丁場なので樹林帯の中をのんびり、ゆっくりと歩き出す。
雲海で一息入れるが南アルプスは望めなかった。押手川まではカラ松や樅の木と苔むした景色は風情がある。ここから編笠山までは急登が続く。至仏山で初めて観た「タカネバラ」がたくさん咲いていて驚きでした。  
 山頂では赤岳も見えず、遠くの山容が僅かに解る程度でした。
青年小屋までは大きな石をポンポンと飛びながら辿り着いた。小屋の周りにはクルマユリが咲いていて夏山シーズン到来って気分。
有料トイレが設置されていて(100円)自然を守ろうとする心が伝わる。
陽もだいぶ昇ってきましたが樹林帯の中、助かります。
ここからノロシバを目指して歩く。きっと昔の武将が狼煙を上げたのでノロシバと名がついたのでは?と話が弾む。
ザレた道に出ると、イブキジャコウソウやヨツバシオガマ、イワオウギと花が咲き乱れ楽しい時間です。
山頂で大きな声で登った喜びの声がする。嬉しかったんだろうと思った。なんとなく聞き覚えのする声だ。小川さんのパーティーだった。
 さっき見たオタカラコウに似た花をデジタルカメラに撮って林さんに聞いてみよう。(後で聞いたらカイタカラコウでした)
 そこからピッチを上げて頂上を目指す。振り返れば後ろに人の数が増えていた。夏休みだな~。
小川さんが西ギボシまで迎えに来てくれていた。皆で合流して美味しい西瓜を頂き、ご馳走様でした。
小川パーティーと別れ山頂でのんびりする。見えなかった赤岳が姿を現してくれた。本当に赤い山肌をしているんですネ。
 八ヶ岳を堪能しているのもあっと言う間にもう雲の中、ほんのひと時の姿でした。後は下るだけ。青年小屋から巻き道で押手川に出てそこからの下りは長かった。
 いつもの事だが下りは長い気がするのは私だけでしょうか。
久し振りに太陽が照る山に登れて楽しかった。      (石川 とい記)


GSK380ー2006.08

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GSK379ー2006.07

【丹沢・中ノ沢】
期 日 7月11日 曇
パーティー L小川、和田、江黒、猪狩、
 平松
コースタイム 丹沢観光センター5:15  雷平6:30 蛭ヶ岳11:15~12:15 姫次
14:00 観光センター16:00

秋田の和賀岳に行く予定だったが、台風の置きみやげで、東北地方は大荒れの予報、直前になって中止となった。
 関東の曇の予報を信じて、丹沢の中ノ沢に出かける。この沢は蛭ヶ岳に突き上げる初級の沢で、あまり大きな滝はない。
 前夜、観光センターまで入り、寝酒を呑んで早々に寝るが、間もなく皆暑さで目が覚めた。テントの中は熱気がこもり、まるで熱帯夜のようだった。
 雷平から10分ほどで、明るく開けた沢にはいる。しばらくは単調なゴーロが続き、核心部のF3は右から巻いたが、かえって悪く、泥壁のトラバースはロープを出した。
 水の涸れたガレ場を行くとヤブコギもなく、背の低いスズタケが現れ始め、枯れたコバイケイソウのお花畑を越えるとひょっこり小屋の裏手に出た。時折薄日も差すが、薄いガス覆われ展望は効かない。ヘルメットを取ると涼風が心地よい。
 姫次までのいわゆる主脈は大分崩壊が進み、土留めの柵が何ヶ所も崩れていた。
 黍殻避難小屋から少し行ったところから大平に下り、キャンプ場で一本入れていると、足元からヒルがうじゃうじゃ這い上がってきた。歩きながらつぶすが、女性達や江黒君は7~8ヶ所喰われていた。まさに蛭ヶ岳だ>。
(和田重雄 記)


【笠取山】 
期 日 7月 3日 曇
パーティー L和田、小川、江黒、猪狩、
 平松、村田
コースタイム 作場平9:00 ヤブ沢峠10: 15~25 笠取小屋10:45 笠取山11:40~ 12:30 笠取小屋13:00 作場平14:00

 末丈ヶ岳の予定が雨の為中止となり、どこかに行こうと中央高速を走り出した。車中で検討の結果、笠取山に決まった。
 作場平に車を置き歩き出す。雲の間から青空が顔を出し、自然林で広葉樹のやわらかい緑の葉を優しく照らす。
 なだらかな道を森林浴気分で歩く。気温17度と、ちょっと涼しいかな。ヤブ沢峠に出て広い道をミズナラやコナラが日陰を作る。
 リスがチョロチョロと走り草むらに消えた。露草が涼しげに咲いている。
 笠取小屋は開けた所にあり、綺麗な小屋だ。九輪草の赤い花が緑の中で良く似合った。
 作業をしている人が数人いて、シカが木を食べてしまうので、木に金網を巻きつけているのだとか、シカが随分増えているようだ。小さな分水嶺には(多摩川、荒川、富士川)の名を刻んだ石柱がありました。ここから山頂までは一直線で今日初めての急登です。
 山頂からの眺めは大菩薩、黒岳と見えたが雲が多くてあまり遠望はありません。
 ゆっくり昼食をして、さあ帰ろうと歩き出したらいきなりの大雨にびっくり。急いで小屋に飛び込む、まもなくお天気は回復、25分程のにわか雨でした。         (村田智昭 記)


杁差岳   写真
期 日 6月19~20日 曇時々晴
パーティー L立田哲、き、和田、林、 小川、猪狩、落合
コースタイム 胎内ダム6:50 胎内ヒュ ッテ8:00 足の松尾根登山口9:00 姫子 の峰10:00 大石山分岐13:20 杁差岳避 難小屋15:10(泊)杁差岳山頂日の出4: 21 杁差岳6:10 大石山分岐7:20~8:20(頼母木小屋往復)胎内ヒュッテ13:00

黒崎PAで仮眠するが眠れなかった。 胎内川ダムに着くが、ここで通行止め。 でもまもなく車がどんどん入ってきて、聞くと関係者のみで納得。1時間かけて胎内ヒュッテに到着し休憩。そこで聞くと今日の昼に開通との事。一日違いで残念でした。
 杁差岳の登山口まではさら舗装された林道を40分ほど歩いて、松の足尾根登山口に到着した。登山口に着いた頃は体も温まっていたが、2時間の歩きはきつい。 いよいよここから長い登りが始まる。取っ付きからロープのある急な登りになる。しかもいたる所に木の根が出ていて歩きにくい。一時間程登って行くとひょっこり“姫子ノ峰”と書かれたピークに飛び出した。そこで休憩とした。さらに進み2ヶ所の岩場を通過、途中滝見場で滝を眺め、時々木々の間から見える胎内尾根を眺めながら登る。
 このルートはほとんど下りがなく登り一方だった。
1000m付近ではヒメサユリなどの花が見え始めた。大石分岐に着いて休憩。そして待望の尾根歩きになるが、私は寝不足がたたってか、疲労が一気にピークを迎え、風も強く体が冷え始め、足が攣って動けなくなった。
 TさんやWさんが色々の保温やテーピングなど手当てをしてくれて助かりました。後の勉強になった。
 痛みを押さえながら鉾立峰の登り返しはきつい。やっとこの思いで避難小屋に到着。緑の草原上に建つ避難小屋が、景色に溶け込んでいる。
 小屋は最近新築されたもののようで、まだきれいだ。今夜は私たちの貸切で気兼ねなく使える。雪を溶かして水を作り、それで思い思いの晩ご飯を作ったり、山談義に花が咲く。その後も断続的に吹きつける風の音がうるさい。
 杁差岳は残念ながら雲がかかってしまい視界が悪く、明日の日の出を期待して眠りに就く。

2日目 晴
薄っすらと明るくなり、小屋から3分位の山頂に向かう。雲一つなく風は強く冷たい。山頂からのご来光は期待どおりで、4時11分オレンジ色の日の出を見た。 他の山もオレンジに染まり始めた。日の出の右手には蔵王、北の遠方には鳥海山、西には谷筋に残る残雪が美しい二王子岳、そして南は飯豊本山から稜線があり、飯豊連峰の圧倒的な大きさを感じる。やぁーっなんて素晴らしい景色だ。おも

いっきり写真を撮り、しっかりとこの絶
景を目に焼き付ける。
 小屋に戻り朝食を済ませ、6時に小屋
を出発する。鉾立峰の登り返しでは花が群生している。
 大石山の分岐に着き、ここからメンバーは頼母木小屋までピストンすると言い、私は昨日の体調を考え、ここで待つことにした。
1時間ほどで帰ってきた。小屋の水はまだ出ていなかったそうだ。
 ここからは樹林帯がはじまりやせ尾根を下る。天気は曇りだが風も無く、かえって照られるより良い。下山道からは頼母木小屋と門内小屋が稜線上に見える。 滝見場で1本入れる。ここからはTさんとOさんが車を取りに先に駆け下りて行った。
 ゆっくり行き12時に足の松尾根登山口に到着した。累計標高差1100mの杁差岳は、やはりあなどりがたい山である。
 今日からはバスが運行されているが4時では待てない。ここから40分の歩きはザックが肩に食い込み腰にもかなり疲労を加えた。
胎内ヒュッテに着き、すこし待つと車が来て5キロを歩かずに済み、お2人様ご苦労様でした。その他の人も何かとお世話になり有り難うございました
 梅雨の晴れ間に恵まれ、感動多き杁差岳でした。      (落合治男 記)



蕎麦粒山】
期 日  6月19日 曇
パーティー L柴崎、斉藤和、小山
コースタイム 東日原8:35 一杯水10:55
~11:15 蕎麦粒山12:40~13:15 川乗山
 16:00 鳩の巣18:30

 梅雨の最中にしては、幸運にも山笑う朝を迎えた……!。
 喧騒とは無縁な時間の止まっているような山裾の集落。人家の植え込みの脇を入り幾重にも折れては登っていく。序章となる急登で眠気もとんでくれた。立ち昇る土の匂いを鼻先に強く感じる。梅雨時でもあり、ここ数日続いた雨にもよるのであろう。ほの暗い林の中に浮き立つ新緑が目を洗うようだ。
 体に沁みこむような薫風に出会うと、互いにホッと息をついて思わず歩みを緩めてしまう。この山域はこれまで縁も薄く、奥深い印象を抱いていたが、しっかりと踏まれた明々白々の道が続いている。小一時間も歩くといつしか傾斜も落ちて、息の喘ぐこともない穏やかな抑揚を繰り返すようになった。体の硬さもほぐれた頃、暗がりから抜け出すように避難小屋の建つ一杯水へと登りついた。
 ベンチの並ぶ小屋の前を抜け、糸の如く細々と水を落とす水場を過ぎて、尾根を東に転じた。小憩を取った小屋の前で、突然の雨脚にあたふたと雨具を羽織ったが、一瞬の降りで終わってくれた。辿る山道は木立の重なりも濃くなり、遠く景色を望む事は少ない。しかし、周りに展開する草木の無垢な緑のしたたりに、二人のレディーは自然と口をついて出てくる賛辞を盛んに投げかけている。重なる若葉が空の光を通して、葉脈まで透けて見えるのはこの万緑の季節ならではの光景であろう。
 時折、行く手に霧をからめた幻想的な景観が現れては消える。肩の力を抜いて歩けるなだらかな起伏の道がなおも続く。やがて、しめ縄の張られた小さな頂に立つと、朽ちた巨木を背に社が祀られていた。今日踏む最高峰の蕎麦粒山が梢の間に近くなった。
 最近、浮世の足枷が一つはずれて、ほっつき歩く山が又いくらか身近になった。つつましく南に向かって展開する蕎麦粒山は静寂のままに向かえてくれた。その一隅に我々はザックと共に点在する露岩に座り込んだ。
 人影の無い山は貸切かと思っていたが、日向沢の峰付近で知人の入山者とすれ違った。途中、雷鳴に顔を曇らせる場面もあったが、移ろう陽射しもどうやら落ち着いた様子だ。今日の新たな道程が

綴られて曾遊の川乗山へと繋がった。四時を過ぎようとしている山頂は残照をあまねく集めている。後、二時間の下降を前にして最後の雑談を交わしながら、ジワーッと胸を満たしてくる満足感を覚えていた。
       (柴崎 朝男 記)


下権現堂山】    写真
期 日 6月12日 晴
パーティー L斉藤秋、く、石川、伊比コースタイム 戸隠神社6:00 弥三郎清 水8:00 下権現堂山8:40~9:45 中越分岐 10:30 戸隠神社12:00

 戸隠公園で仮眠した後、目の前の階段を上り、神社に手を合わせてから登り始める。
 間もなくポツポツと雨が落ち始めてきて、上だけ雨具を着けるがすぐに止んでくれた。途中からは太陽も出て蒸し暑さが増してきた。
 標高の割には急登の連続で、久し振りに山に来た身にはきつく、顔から汗が滴り落ちてくる。
 弥三郎清水は水量も多くなくて、湧き水なので自分の水で喉を潤して通り過ぎた。ヤマツツジが色鮮やかに咲く道を、虫除けスプレーを吹きかけながら登っていくと、イワカガミやイワウチワ等の可憐な花が姿を見せてくれる。
 八合目からはさらにきつい登りになり、妙高の登りに似ているなー等と思いながらゆっくりと歩を進めると、やがて岩のゴロゴロした山頂に着いた。     越後駒ヶ岳や八海山、守門等越後の山々が勢揃いしている。青空に残雪と新緑が相まって、この季節の山は本当に素晴らしいと思う。
 ゆっくり食事をして、中越から急下降して本沢コースにはいる。崖ッぷちの細い登山道を下り、ブナの樹林帯を抜け、涼しい残雪の上を歩いて、沢を2~3度渡り返すとやがて登山口に着いた。
 山に来て改めて健康の有り難さを実感し、もうしばらくは山を楽しめるかなーと、少し自信を取り戻した山行でした。
          (伊比美弥子 記)

GSK379ー2006.07

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GSK378ー2006.06

漢拏山
期 日 5月16日
パーティー 石川 他3名
コースタイム 登山口5:35 水場7:38 第2避難小屋9:45 山頂10:10~50 登山口14:22

 朝5時、タクシーでホテルを出発。済州市を離れると景色は阿蘇、九重の景色のように草原が続く。
登山口には5時25分着、この季節は入山が5時から10時までと決められている。しかし平日のせいかゲートにはまだ人はいなかった。
入山料1.700ウオン払うと、詳しい地図が頂けると聞いていたので残念だった。漢拏山に登ると決めてから地図を入手するのに、インターネットや韓国観光公社を通したが、観光用のハングル文字の地図しか手に入らなかった。
それでも頭に地図を入れ、昨日ガイドに手帳へコース名と、登りと下りのハングル文字を間違わないようにと書いて貰った。
運転手さんに「観音寺コースの下山口で待っているからと」通じない言葉で見送ってもらい別れた。
整備された登山道はまるで高尾山を歩いているようです。韓国一高い山なのに少々気が抜けた気分です。
 それでも爽やかな空気と、晴れに向かう天候は、私達の足を軽くしてくれます。 鶯がいつもなら声が聞こえても姿が見られないのに、今日はすぐ目の前で啼いています。名の知らない鳥たちがたくさん囀って楽しませてくれます。ノロシカも近くまで来ます。
避難小屋やソーラシステムのトイレが設置されとても綺麗な山です。
何時もの事だが写真を撮ったり花を愛でたりするので、後から来た人にドンドン抜かれて行きます。
 それにしても軽装でボトル1本と、みかんを持つくらいで歩くのが早い。
「ニンニクとキムチパワーだよ!」と負け惜しみを言う。このコース唯一の水場で、美味しい湧き水を飲んで一息です。
 今は水道が入ったが、以前は大きな瓶を担いでこの水場まで汲みに来たそうで
す。お祝い事の最大のプレゼントも水だ
ったそうです。

1700m地点、ここには大きな石で造
られた第2避難小屋がある。この山唯一の売店があり、ドリンクやコーヒー、カップ麺が売られていました。
 ここからの登山道には監視所があり、人がいて13時まで着いた人だけ山頂に登れ、又体調の悪い人などここでストップ
が掛かるそうです。
この辺りから急登になり、つつじ(チ
ンダレと言うそうです)が一面に咲いていてとても綺麗です。
 この坂を登り切ると1800m、森林限界地点です。見渡す限りピンクに染まった花、驚きと歓声があがります。登ってきて良かったと思う瞬間です。
 そこから山頂までは木で造られた階段が続き辛い道です。キムチパワーが切れたのか韓国の人もばてて休んでいます。
風が強くて、生きていく為に植物は矮小化して10cmに満たないアヤメやハクサンコザクラが咲いていた。
八合目辺りは土砂崩れを防止する砂
袋がたくさんあった。自然保護のため山を歩かせないで、山の休養に努める休息制度があり、今回も4箇所ある登山道も2箇所しか山頂に登れなかった。
山頂は蔵王のお釜みたいに火山湖になって、雪も残っており水が溜まっていた。
記念写真を撮っていると「イボン?」と聞かれ日本人は私達だけのようです。
帰りは観音寺コース、沢を下るので標高差1300mもあり、時間も掛かる難コースです。
下りはあっと言う間に標高を下げていくが、火山岩のゴロゴロした道は歩きにくく転んだら大変です。でも危険なところにはロープが付けられており、国立
公園だなと思う。
 振り返れば石山がガレて凄い岩肌を見せています。やはり韓国一の山と実感。休みながら山を堪能する。
膝も痛くなり、だんだんバテてきま
す。軽装の若い青年が2人「あったら水を下さい」と言われる。ペットボトル1本しか持たずに登るとは勇気があるな~。残った水を2本程渡した。
平坦な道をしばらく歩くと門扉がありゴールだった。
朝の運転手さんがニコニコ顔で出迎えてくれた。遅れるからと言ったのに13時から待っていてくれたそうです。
あ~疲れた。これから韓国式のエステと全身マッサージのご褒美を貰おう!          (石川とい 記)


【一切経山・東吾妻山】    写真
期 日 6月5日 晴
パーティー L小川、和田、立田哲、き、 新井
コースタイム 浄土平6:30 一切経山7:45 家形山9:00 姥ヶ原11:00 東吾妻山12: 00~13:00 浄土平14:20

  メンバーのわがままな意見を調整して、この山域の山行になりました。
 高湯方面からは道路工事のため(今日から1ヶ月)、スカイラインに入れず、少々遠回りした。(おかげで無料)
 身支度を調え浄土平を出発する。コイワカガミの咲く散策路から北に向けてザレ場を登り始める。高度を上げるにつれ、後ろに見えている吾妻小富士の火口が変化しているのが面白い。
 下から見えていた山の奥が一切経山で、山頂は小広く、360°の展望が得られた。遠くは春霞だが磐梯山、北に蔵王連峰、かすかに見える残雪の山は飯豊連峰だろうか。
 家形山よりの所から見えた五色沼には一同喚声が上がった。エメラルドグリーンの湖面、湖畔にある雪渓と、それはそれは素晴らしい景色だ。
 下りは分岐から鎌沼に向かい、昼寝をしたくなるような木道を沼沿いに行く。一ヶ所残雪があり滑ったら沼にドボンだ。
 鎌沼の西端から東吾妻山の登山道は始まる。まるで沢の中を歩いているような道で、上に相当な雪が残っていることが想像させられる。
 1.500m位から雪が現れ始め、ほぼ一直線に登っていたのだが、途中から赤テープを見失い、磁石とヤマカンを頼りに強引にヤブを突き進むと、パッと山頂が見えるハイマツ帯に出た。その右(西)に登山道が上がって来ていた。残雪期にはよくある遠回りしてしまったが、結果としては思い出に残る山行の味付けなのだろうか。
 山頂からは吾妻連峰がよく見渡せ、さっき登った一切経山の荒々しい岩肌が印象的だ。猪苗代湖、裏磐梯の3つの湖、安達太良山も身近に見え、あまり見慣れていない景色に感激もひとしおだった。 下りの途中で行きに間違った地点を確認して山を下り、チングルマが咲き始めている散策路を浄土平に向かった。
 汗臭い体を野地温泉で流して帰路につく。           (新井仁志 記)


GSK378ー2006.06

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GSK377ー2006.05


【倉見山~杓子山】
期 日 4月18日 晴
パーティー 新井仁、七
コースタイム 東桂8:30 倉見山10:40  杓子山13:20~14:00 下吉田17:30

 久し振りに歩いてきました。
最初はお花見山行を考えていたのでしたが、直前になってガンガン歩きたくなり、この山域を選びました。
 登山口から倉見山までは急勾配が続き、アキレス腱が良く伸びる。ここまでのコースタイムは、1時間10分とありますが無理です。標高差700m近くありますから2時間はかかります。
 倉見山からの縦走路はアップダウンがあり、岩場、ヤセ尾根とけっこう歩き甲斐がありました。
 辿り着いた杓子山は富士山の展望台ですが、春霞で見えませんでした。東に鹿留山が間近に見え、西に三ッ峠が望めました。
 下山は高座山コースをとりました。途中高座山の斜面が野焼きで黒く、荒涼としていたのが印象的でした。
 鳥居地峠から舗装道路となり、少々足が痛くなりました。満開の桜を見ながら下吉田の駅までトロトロと歩きました。
          (新井仁志 記)


【湯殿山・山スキー】   写真
期 日 4月17~18日
パーティー L永松、益田、遠藤、他1名
コースタイム 2日目、BC6:45 森林 限界(1200m)8:50 湯殿山10:05~45  BC12:40

 湯殿山は出羽三山の一つで、羽黒山、月山とならび東北の霊山として有名である。特に湯殿山は出羽三山の中でも奥の院とも言われ、霊岩、霊場をもってご神体と仰ぎ、人為を加えず、本殿もない露天の神様といわれている。また丸い岩から温泉がコンコンと湧きだしている特異な山である。
 もちろん我々が訪れたこの時期は全て真っ白な雪の下で、どこが露岩でどこが温泉なのかまったく分からない。なにせこのエリアは東北でも有数の豪雪地で、冬の積雪は平均7~8mにもなるので、
山岳スキーも4月に入らないとオープンしない。
 我々が訪れこの時期やっと除雪も終わり、これから6月いっぱい山全体が最も良いゲレンデを形成して、山岳スキーヤーを迎えてくれる。

1日目 曇
 夜半過ぎ山形道 月山PAで仮眠、夜明けと共に目的地のネイチャーセンターに向かう。
 途中ほぼ除雪は終わっているが、その雪壁の高さには圧倒される。高い所では未だ10m以上にもなっている。
 そんな雪の壁を小1時間走り抜けると、明るく開けたネイチャーセンターに着く。早速近くにテントを設営し、ここをベースにして行動開始。
 予定としては1日目は湯殿山をやる予定となっていたが、早朝から変な天気で気温も低く、小雪がちらついたり地吹雪模様で、上部を見上げると雪煙がもうもうと舞い上がっている。この悪条件では無理は禁物と、明日の天候回復を期待して、今日は自然園の回りをクロカンで楽しむことにした。
 雪面はここ2,3日雪が降ったとのことで、真っさらの新雪に薄く覆われて、パウダースノーをキュッ、キュッと踏みしめてのクロカンスキーは快適だ。
 皮松谷地からカワクルミ辺りまで、偵察を兼ねて足を延ばす。

2日目 晴
 ドピカーンとはいかないが、今日は天気も回復に向かっている。時折吹き付ける強風が若干気になるが、状態としては悪くない。
 しばらくは前日の偵察ルートを辿り、F1地点に立つ。台地からは湯殿山と姥ヶ岳が大変良いアングルで望見でき、回りのブナとマッチして素晴らしいロケーションとなっている。 
 森林限界に立つと視界が急に開け、山頂が目前に迫ってド迫力ではあるが、まだ高度差は300mもある。
 しばらくは30度位の斜面が続き、時々雪面がザラメ状に腐っていて、ズルツと横滑りしたり、時折吹き付ける強風に、体を煽られて一瞬ヒヤリとさせられる時もある。
 山頂直下まで来ると風もピタリと止ん
で、まるで我々を待ってたよとばかりに湯殿山はやさしく迎えてくれた。(感謝

感激)
 山頂は360°の大展望とはいかないが、それなりに東北の山々を望見することが出来大満足だ。至福のひとときを過ごし、いよいよ下山にかかる。山スキーではこの瞬間がたまらない。ドキドキ、ワクワク、アドレナリンが体中を駆けめぐる。
 永松氏と芳賀氏はテレマーク、私と益田氏がアルペンと各々のスタイルで、Lの掛け声と共に「イャーホー!」と奇声をあげて新雪を蹴散らしながら春の谷を目指して飛び込んで行く。
 下りは早い早い、アッという間にF地点の台地まで降りてしまう。後ろを振り返ると、山頂からの貸し切りゲレンデには、我々だけのシュプールが描かれてい
る。
 途中のんびり昼食をすませ、無事ベースキャンプに到着。冷えたビールで乾杯、お互いを祝福する。
あとはおきまりの蕎麦と温泉コースで、ゆったりと疲れを癒し帰路につく。
(遠藤正勝 記)

GSK377ー2006.05

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GSK376ー2006.04

岩殿山】  写真                                   
期 日 3月6日 晴
パーティー L吉川、村田、伊比、猪狩、 石川、斉藤く
コースタイム 大月8:55 稚児落し入口
10:35 岩殿山12:55~14:35 大月15:25

 今日は天気予報が外れてくれ、晴れて暑い。こういう外れは嬉しい!。
 山も花咲山の予定が、途中から道が不明瞭になり、花咲カントリーに出てしまった。ヤブコギをして尾根へと、リーダーは思ったらしいが、軟弱者を引き連れての山行のため諦め、隣りの岩殿山に変更になった。
 一般には下りに使うコースから登る。ひと汗かく頃稚児落しに着いた。大きな岩の絶壁、怖いもの見たさでのぞき込むがゾッとする。稚児落しとは悲しい名称です。アセビが白い可愛い花を付けていたり、ダンコウバイが咲き始めていたりで、春を感じさせてくれた。
鎧岩、兜岩と鎖やら、ハシゴやらでちょっぴりスリルを味あわせてくれた。
 大きな岩の門をくぐると山頂、岩殿城趾。見晴らしが良く、三ッ峠、御正体、一月に登った菊花山もすぐそこに見えたが、残念ながら富士山はちょっとだけ裾野を見せてくれただけだった。
 ゆっくりお昼を食べ、大月の街を見下ろしながら広い階段を下る。
 途中ひと休みし、皆でイナバウァー?腰伸ばしをして下った。いつも私が見て、想像していたより変化に富んでいていい山でした。     (斉藤くみ子 記)




【奥武蔵・丸山】  
期 日 3月13日 晴
パーティー L和田、江黒
コースタイム 笹子8:00 黒野田線登山 口9:20 本社ヶ丸11:40~12:50 宝越え  14:10 笹子15:40

 笹子駅から清八峠への林道を約1時間で、都留市方面に向かう林道黒野田線へ入り、300mほど行くと右側に『№220 約15分』と書かれた標柱がある。ここが本社ヶ丸へダイレクトに登る尾根の登山口だ。
 プラスチックの階段を15分も登ると送電鉄塔に出る。ここまでは巡視路の道がついているが、鉄塔から先は指導標も赤テープもない。地図とコンパスを頼りに、尾根を外さないようにひたすら南を目指す。
 わずかな踏み跡をヤブコギしながら行くと笹原になり、ルートは左に緩くカーブしているようだ。
 傾斜も次第にきつくなり、雪も見え始める。凍っているので滑りやすく、木に?まりながら力まかせに登る。
 太股がかなり張って来た頃、ようやく縦走路に出ると、やっと赤テープがあった。右へ10分も行くと本社ヶ丸に着いた。
富士山は残念ながら見えなかったが、真っ白な南アルプスの全貌と、八ヶ岳から奥秩父の稜線がよく見えた。
風もなく天気もいいので、展望を楽しみながらゆっくりした。
 下山は宝越えから笹子駅に下った。
途中雪がちらつき、凍った道に足を取られ、アイゼンを着けた。
 かなりワイルドなハイキングであったが、十分楽しめた。 (江黒支朗 記)


【早春の伊豆の山々】
  写真
期 日 3月13~14日 晴
パーティー L斉藤秋、く、村田、猪狩

 冬型の気圧配置のせいか、伊豆の山でも稜線は小雪がちらつき、ガスがなかなかとれない。やむを得ず予定を変更して、天気の良い海岸の方へ行くことになった。
 西伊豆歩道、今山コース。紺碧の海を眺めながら歩くのもたまには良いものです。海を見下ろす山道には、自生するツワブキだらけです。昔はミカン畑だったのでしょう、今は荒れ果てて大木となって、ミカンがたわわに実っていました。
 今山は300mちょっとの山ですが、山頂近くまで道が消えてしまい、ヤブだらけなので引き返しました。
 車に戻り見上げると、段々畑には真っ黄色の菜の花が一面に咲いていました。
 二日目は、雲見部落から海に突き出た烏帽子岩山という岩山に登りました。
 石段約550段はきついが、頂上には浅間神社が祀られており、展望台となっています。360度の大展望ですが、真下を見下ろすとゾッとしました。
 昨日登る予定の達磨山へは、笹原の草原状の道を登るが、アッという間に頂上に着いた。春がすみで残念ながら富士山の雄姿は見られなかった。
 二日間、山、海、お花畑と春の香りを十分に満喫しました。(斉藤秋夫 記)


【一盃山・移ヶ岳】
期 日 3月13~14日
パーティー 立田哲、き
 
〈一盃山〉 晴時々曇
 阿武隈の山々を見ながら、サラサラの粉雪を踏み登る。雪も少なくアイゼンなしで登れ、汗も出ない位でちょうどいい。時々強い風と共に雪も顔に当たり痛い。
 山頂広場には立派な看板、テーブル等があるが、風が強いので早々に展望の良い『音の岩』へ行く。雪雲で、安達太良等は見えず残念だ。なぜ『音の岩』なのか分からずじまいだった。
〈移ヶ岳〉 晴
 前夜は月も星も出ていたが、雪が降ったらしく、通勤の車のフロントガラスは真っ白、思ったより降ったようだ。しかし、朝になって太陽が見られて良かった。
 国道から集落に入り、坂道はアイスバーン状態。我が家の車では登れず、置いて歩く。
 40分ほど歩いてやっと駐車場広場に到着。舗装はここまでだが、山頂までの30分の道もほとんど広い道だ。山道になったと思ったら急登で、ロープにつかまり、一気に大きな岩の狭い頂上に出た。
 安達太良山も裾野が少し見えるが雪雲のなか。快晴ならば最高の展望が望めそうです。那須や吾妻連峰も見えるはずだ。
 阿武隈の山々はすっきり見え、もう一度登ってみたい山です。
 寒いので早々に下山。車を集落に置いてきたおかげで、道端の蕗のとう(春のご馳走)が沢山採れ、車道歩きもとても楽しかった。   (立田きよ子 記)


【権現岳】
期 日 3月20日 晴
パーティー L小川、和田
コースタイム 天女山登山口6:40 前三 ツ頭10:00~20 三ツ頭11:00 権現岳12:2 0~13:00 前三ツ頭14:00 登山口15:45
 
 寒さで目を覚ますと、赤岳が真っ赤に燃えていた。今日も天気がよさそうだ。
 それにしても寒い!。道路に設置してある温度計は-10度を示していた。
 天女山への取り付け道路は冬期閉鎖。
鉢巻道路の路肩に車を停め歩き出す。すでに4台停まっており、先行パーティーがいるようだ。
 前三ツ頭までは結構な急登でひと汗かかされる。稜線に出ると目指す権現や赤岳、南アルプス、富士山等が真っ白な姿で目に飛び込んでくる。さすがに風は強くなり寒さも一段と厳しくなる。
 三ツ頭まではトレースがついていたが、そこから権現までは処女雪。中高年はここで引き返すらしく、女性をまじえた三人組も大休止していた。
 稜線は急でやせているが、雪が少ないせいか雪庇はあまり出ていない。
 アイゼンが小気味よく効き、快適な登行で、巨大な岩が目印の権現岳に着く。
 風もおさまり、360度の大展望を心行くまで楽しむ。すぐ目の下の旭岳東稜を攀っているパーティーが見える。
赤岳の辺りにヘリが旋回していたが、
阿弥陀岳の遭難は後でラジオで知った。
 帰りは往路を忠実に辿り、富士山を正面に見ながら、余韻を楽しむようにゆっくり下った。   (和田重雄 記)


【阿弥陀岳 南稜】
期 日 3月20~21日
パーティー L清武、小山
コースタイム 舟山十字路6:10 林道分 岐6:50 稜線7:30 立場山10:05 青ナギ 10:45 無名峰12:30 幕場12:50(泊)

 低気圧の南下とともに、寒気が南下してくる……。と言う予報は当たっていた。 明け方の気温は-11度。一気に冬に逆戻りだ。  
 アイスで何度か通った、雪に埋もれる広河原沢を今日は対岸に渡り、いきなり始まる雪の急斜面に取り付く。
 稜線へ上がり緊張が解ける。樹林のなか徐々に深くなる新雪のわずかなトレースを黙々と追う。今日は調子が悪いのか、小山のピッチが上がらない。
 それでも容赦なく、立場山の長い長い急登が続く。疎林となる箇所では恐ろしく冷たい風が吹き付け、思わず襟元を閉める。この風が曲者だ。
立場山を越えたところで、一人のカメラマンと出会う。夕べは寒くて、あるもの全部を着込んでも眠れなかったという。
 少し前から飛んでいるヘリについて、昨日、阿弥陀で事故があったらしい……とのこと。無名峰の下までトレースを付けたが諦めたとも。
 青空が広がり眩しいほどの陽が射しているのに、高度で相殺されているのか、気温は相変わらず-11度のままだ。
 目の前の阿弥陀岳の山頂付近では、ヘリがホバリングを繰り返していた。事故者がまだ見つからないんだろうか。
 上に行くほど左の斜面から強く刺すような風を受けた。立ち止まっていると急速に体が冷えていくのが分かる。
 結局この日の我々の行動は、カメラマンと同じように無名峰までだった。くしくもこれは14年に来た時と同じだった。
夕暮れ時、阿弥陀の雪壁は赤々と燃えた。
 この先、P3の向こう側にある新雪の急なルンゼと雪壁の雪崩への懸念、万全とは思えない小山の調子……等、漠然とではあるが直感に素直に従って、今回はここまでとしようと腹を決める。風は夜中になってもおさまらなかった。
 翌朝、気温は0度まで上がっていた。明け方、雪煙をたなびかせて姿を見せていた山頂は、やがて雲にすっぽり覆われた。
 振り出しの舟山十字路に戻ると、居合わせた鳥獣保護の関係者から、昨日の事故について、上で凍傷を負って動けなくなっていた3人は亡くなっていた……と聞かされて愕然とした。
 春の低気圧の恐ろしさを改めて思い知らされ、非情な現実に思わずその3人の
冥福を祈らずにはいられなかった。
(清武千尋 記)

GSK376ー2006.04

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 GSK375ー2006.03

 【雲取山】
期 日 2月14日 晴  単独
コースタイム 日原林道7:30大ダワ10:00  雲取山11:00 七ツ石山12:40 林道15:00

 日原川を渡り大ダワ林道を登ります。今年は雪が少なく、登山道にはほとんど雪がありません。所々斜面がザレて道を塞いでいます。足場を固めて慎重に通過。
 稜線近くの笹原で、ジッとこちらの様子を見ている牡鹿と出会う。
 大ダワからやっと雪道になりました。積雪は30㎝くらいで例年よりやはり少ない。
 雲取山からの展望は天気がよいので最高です。富士山、南アルプス、浅間山。誰もいない静かな山頂。いつ来ても満足感を与えてくれる山です。
 風もなく暖かく、避難小屋の前で富士山を眺めながらの昼食。至福の時です。
 折しもラジオから森山良子の歌声、マイファニー バレンタインが……。
   (小川豊 記)


 【笹子・大沢山】

期 日 2月21日 曇
パーティー L和田、村田
コースタイム 笹子8:40 稲村神社9:10  鉄塔10:10大沢山11:45~12:25八丁山分岐
14:15清八山14:45 林道16:00笹子17:10

 前日、東京で降った雨が山梨では雪だったらしく、笹子の家並みはうっすらと雪化粧していた。
 前回、大沢山を訪れたときは登山口が見つからず断念したが、今回は江黒君からよく教えてもらったので、目印の神社はすぐに見つかった。神社のすぐ裏に古ぼけた道標があり、檜林の尾根に取り付く。  曇っているが気温が高く、梢に載った雪がポタポタ落ちてくるので、雨具を着て、ザックカバーを付けて歩き出す。
 1時間ほど歩くと鉄塔があり、その辺りから雪が多くなり始め、低山とは思えぬ光景に嬉しくなり、足取りも軽くなる。  植林帯から自然林に変わり、視界も開けて明るくなる。時おり陽も射すがガスは晴れない。
 3時間ほどで立派な標識のある大沢山に着いた。ここまでテープはあるものの道標は一切無かった。 
 晴れていればドーンと目の前に富士山が見えるのだが、今日は白いベールに遮られ、動物の足跡があちこちに付いているだけの幽玄の世界。ベンチの雪をどかして昼食とする。  女坂峠へは急な道をグングン下るが、10分ほどで道が分からなくなり、右の赤テープに導かれて下ると、沢沿いとなり下に林道見え、間違えたと気づき、15分程登り返すとすぐ下に女坂峠の標識が見えた。ここは要注意と江黒君に言われたところだがやっぱり間違えた。
 八丁山分岐から左へ道をとると清八山。
 ここも富士山の好展望台だが、次回に期待しよう。そこから少し下ると清八峠。本社ヶ丸へはひと登りだが、今日は時間切れ、ここから笹子へと下る。
 この辺りはタラノメをよく採りに来たところだが、リニヤの変電所が出来すっかり変わってしまった。
 あとは舗装道路をうんざりするほど歩くと、振り出し地点に着いた。     
  (和田重雄 記)
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